保育士の仕事の中心は、子どもたちと遊び、身の回りのお世話をすることです。
しかし、実際に保育士として働いてみると、保育以外の仕事の多さにびっくりしてしまうでしょう。事務作業にイベント準備など、保育士は毎日多くの業務をこなしているのです。
そこで、保育士の仕事内容を徹底解説します。一日のタイムスケジュールをのぞき、保育士の仕事の大変さとやりがいを探っていきましょう。
冒頭でもお伝えした通り、保育士の仕事は、日々の保育に加え、事務作業やイベント準備など、かなり多岐にわたります。具体的にはどのような業務があるのか、仕事内容を詳しく確認していきましょう。
保育士の仕事の中心は保育。子どもたちが心身ともに健やかに成長するための手助けをすることです。
年齢や発達に合わせて、食事や排せつ、衣服の着替えや睡眠といった身の回りの世話をし、規則正しい生活習慣を身に着けるためのサポートをします。
また、カラダを使った遊びや感性を育てる遊びなどを通して、年齢に応じた発達をサポートし、集団生活のきまりなどを教えていきます。
子どもたちの保育だけでなく、保護者の方の育児支援も保育士の重要な仕事のひとつ。
育児に不安や悩みを抱えているような場合には、保育士の視点で相談に乗ることも重要な仕事です。送り迎えのご紹介いたしますにアドバイスしたり、連絡帳でやり取りするなど、保護者の悩みにしっかりと寄り添いサポートしていきます。そのため日頃から保護者の方と積極的にコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくことが大切です。
意外ですが、保育士の仕事の中でかなり大きなウエイトを占めるのが、事務作業とイベント準備です。子どもたちがお昼寝している時間や帰宅後の時間を使って、以下のような事務作業があります。
また、季節のイベントごとに園内の展示物や飾り付けの製作物を準備します。
子どもが安全に生活するためには、地域の協力と理解が必要不可欠です。
地域の方が参加できるお祭りを企画したり、子どもたちと近隣施設を訪問するなど、地域との交流を深めるのも保育士の大切な仕事です。
近年、保育のニーズが多様化し、より質の高い保育が求められる傾向にあります。さまざまな保育技術のスキルアップのため、外部研修に参加することも重要な仕事です。保育の内容や技術は時代とともに変わっていくものなので、常に学び続ける姿勢を持つ保育士が求められています。
また、政策として保育士の処遇改善が進められています。キャリアアップのための研修もその1つです。自分自身のキャリアを磨くためにも、さまざまな研修への参加が必要となるのです。
保育士の主な仕事内容を把握したところで、ここからは、より具体的な仕事の流れを確認していきましょう。一日のタイムスケジュール例をご紹介いたします。
多くの保育園では、早番・中番・遅番の3つのシフト制になっています。
早番の保育士は、園児の登園前に出勤。開園準備をして、早朝の時間外保育の受け入れを開始します。
園児が登園してきたら、順次出迎えて、荷物や連絡帳を受け取ります。その際、子どもの体調や様子を、保護者の方にしっかりと確認します。
園児の登園が完了したら、朝の会、歌や製作などのクラス別保育、外遊びがはじまります。その際、おむつ替えや排せつ援助など、園児の身の回りのサポートを随時行っていきます。
活動の後片付けをしたら、手洗い・うがいをし、園児の発育に合わせて、ミルク・離乳食・給食の準備・配膳をします。
保育士は園児と同じ給食で昼食をとりつつ、食事のサポートをします。好き嫌いせずなんでもきちんと食べることの大切さを指導したり、ふざけながら食べている子への注意、早く食べ終わった子の面倒をみたりなど、かなり忙しい時間です。
昼食後は歯ブラシや排泄、着替えを済ませ、布団を敷いて午睡の準備をします。
お昼寝中の園児の様子を確認しながら、保育日誌や連絡帳の記入など事務作業をします。
寝起きの悪い園児を起こし、布団を片付けます。その後は、排せつ・着替えを済ませておやつの準備を開始します。
おやつの後は、絵本を読んだり歌を歌ったりと、主に室内で活動します。
帰りの歌を歌って、さようならのあいさつをします。
お迎えが来たら、一日の様子を保護者の方に伝え、連絡帳を渡します。その後は、園児を専用の部屋に集め、保育園の閉園時間まで遅番保育士による延長保育が始まります。
同時に、保育日誌の記入、日案・月案の作成といった事務作業や製作、イベントの準備、教室の掃除などします。
このように日々さまざまな業務をこなしている保育士ですが、一日のスケジュールをみると、忙しい職種であることがわかります。
では、保育士の仕事のなかで、特に大変なのはどんな業務でしょうか。また、どんなところにやりがいを感じるのでしょうか。
ここからは、保育士が感じている大変なこと、保育士の仕事のやりがいについてみていきましょう。
まずは、保育士の仕事の大変なことをご紹介いたします。
保育日誌や日案・週案・月案への記入、イベント用の製作など、保育士の仕事は事務作業が意外とたくさんあります。とはいえ、じっくりと腰を据えて作業に取り掛かれるのは、園児が帰った後の時間です。そのため終わるのは夜遅く…、なんてこともしばしば。
また、イベントが集中する時期には、準備のために残業は当たり前、終わらない仕事を家に持ち帰り休日返上で作業することもあります。
保育が終わった後や休日に保育以外の仕事をしなければならないことに、苦労を感じる保育士が多いようです。
日中のほとんどの時間は、一緒に歌ったり遊んだり、身の回りの世話などの保育が中心です。園児がお昼寝している時間は、保育日誌や連絡帳などへ記入する事務作業の時間。さらに、園児が帰った後は、本格的な事務作業や製作、教室の掃除、場合によっては職員会議が入ることもあります。
ここまで保育士の一日のスケジュールをみてきて、まとまった休憩時間が見当たらないことにお気づきでしょうか。
保育士の仕事はなかなか休憩時間がとれないことも多いです。仕事量が多く、さまざまな業務があるため、まとまった休憩時間が取りづらい仕事なのです。
子どもを安全に保育するためには、保護者の方と信頼関係がとても大切です。何か問題が発生したときに、保護者の方と信頼関係を築けていないことが原因で、大きなトラブルへ発展してしまうことがあります。たとえば食事のアレルギーや持病を抱えている場合、帰宅後にけがをしてしまった場合などは、日中の保育で特に配慮が必要です。情報を共有できていれば防げるトラブルもたくさんあるので、保護者の方との信頼関係は子どもの安全を守るために欠かせません。
熱心なばかり、理不尽な内容のクレームを受けることもあり、精神的に疲弊してしまう保育士もいます。
つづいて、保育士の仕事のやりがいについてみていきましょう。
子どもたちの成長を日々近くで感じられることは、保育士の仕事の大きな喜びです。入園時はいつも泣いてばかりいた子が笑顔いっぱいで登園するようになったり、これまで食べられなかった野菜を食べられるようになったりと、子どもたちの成長の一瞬一瞬をそばで感じることができます。
子どもたちの屈託のない笑顔には、とても心が癒されますよね。そんな笑顔に囲まれながら仕事ができるのも保育士の仕事のやりがいです。
子どもたちから「先生、大好き!」と言われたときには、日々の仕事の苦労も吹き飛んでしまうほどうれしいものです。
保育園で長く働き続けると、卒園して小学生、中学生と成長した子どもが遊びに来てくれることがあります。成長の節目にはこれまでお世話になった大人の顔が浮かび、会いたい気持ちになるからです。
小さかった子どもたちの立派に成長した姿が見られるのは、保育士の仕事ならではの喜びです。やりがいを感じる瞬間でしょう。
「保育園に通い始めてから、嫌いだったにんじんが食べられるようになりました。先生、ありがとうございます!」
「先生のおかげで、毎日楽しく保育園へ通っています。本当にありがとう!」
保護者の方から感謝の言葉を伝えられると、自分の仕事が認められた気持ちになり、とてもうれしいものです。「ありがとう」の一言は、大変な時期、つらい時期の励みになりますね。
子どもたちの保育のほかにも、事務作業やイベント準備、保護者のサポートや研修への参加など、保育士の仕事にはさまざまな業務があります。
一日中業務に追われ、まとまった休憩時間がとれなかったり、残業や休日返上の仕事あり、とても大変な仕事です。
しかし、同時に、子どもたちのキラキラした笑顔に囲まれながら、成長の一瞬一瞬に最前で立ち会える、とてもやりがいのある仕事でもあります。
苦労が多い分、喜びや感動も人一倍味わえる、とても魅力的な仕事といえるのではないでしょうか。
(c) 2025 LIKE Staffing, Inc.