保育施設のひとつに企業の従業員が子どもを一時的に預ける企業内保育所があります。そのような施設があることは知っていても、企業内保育所がどのような施設か具体的な内容については分からないことも多いのではないでしょうか。
今回は、企業内保育所についての概要や仕事内容、基本給について解説いたします。さらに企業内保育所で働く際に役立つ企業内保育所のメリット・デメリットも説明いたします。
今後、企業内保育所で働くことを視野に入れている人はもちろん、企業内保育所について知りたい人はぜひ参考にしてください。
企業内保育所という保育施設があることは知っていても、実際にどのような施設なのかを知っている人は案外少ないかもしれません。ここでは、企業内保育所の概要や仕事内容、基本給について解説します。
近年女性が社会進出している一方、保育の受け皿が少ないことが問題になっています。保育施設が見つからないことで、保護者の方が仕事を辞めるという決断をせざるをえない事態が起きています。
このような待機児童の問題が深刻化したことを受け、平成28年度に「企業主導型保育事業」が開始されました。企業内保育所は、この事業によって開設された保育施設になります。国は企業内保育所を設置することで、企業とともに仕事と育児の両立ができる環境の整備に取り組んでいます。
企業内保育所は、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供し、企業内や企業の近隣に設置されています。利用者は主にその企業の従業員の子どもですが、企業内保育所の形態によっては地域の子どもの受け入れも行っている場合もあります。
企業内保育所といっても、実は2つの種類があります。ここから2つの企業内保育所について説明します。
事業所内保育所は、認可保育施設です。対象年齢は0歳児から2歳児までで、定員が20名以上の「保育所型事業所内保育事業」と、19名以下の「小規模型事業所保育事業」に分けられています。
事業所内保育所の施設は、地域の子どもの受け入れも義務付けられています。そのため、定員の4分の1を地域枠としています。運営にかかる費用や、設備費などは自治体からの助成でまかなっているため、安定した運営ができます。
企業主導型保育所は、多様な働き方に合わせて保育をすることが可能な施設です。そのため、夜間や土日の保育も可能な施設です。認可外保育施設ではありますが、複数の企業が共同で設置することが可能なため、認可施設と同じぐらいの助成金が受けられるようになっています。年齢の制限もなく、地域の子どもたちの受け入れも可能な保育施設です。
企業内保育といっても、一般の保育施設と保育の内容が全く違うわけではありません。おやつや給食、午睡などの時間も一般的な保育施設と同じように確保されています。そのため、保育士の仕事内容は一般の保育施設と大きく変わるところはありません。
食事や排泄、午睡などの生活面での関わりや、手帳・お便りなどの事務的な仕事も行う必要があります。また、子どもの記録も作成します。夜間も開所している場合には、入浴や寝かしつけなどの仕事も行います。
最近ではSNSで園の様子をお知らせする園も多くなってきているため、SNSの更新も仕事に含まれる場合もあります。
厚生労働省の資料によると令和5年の保育士の年収は396.9万円となっています。企業内保育士の場合は保育士の平均給与と同程度というところもあれば、企業によってはそれを上回る給与のところもあります。
給与形態や福利厚生は企業によってさまざまなため、就職する際には確認をすることをおすすめします。
【参考】
実際に企業内保育所で働くメリットやデメリットとはどういうことなのでしょうか。ここからは企業内保育所で働くメリットについてお伝えします。
企業内保育所で働くメリットとは、具体的にどういうことでしょうか。企業内保育所だからこそ味わうことができるメリットをお伝えしますので、ぜひ、企業内保育所で働くことを検討するときにお役立てください。
企業内保育所は、少人数で保育を行っている場合が多いため、大規模なイベントや行事はほとんどありません。また、定期的な発表会なども行わない場合が多く、そのような仕事に関わる負担は少ないといえます。
イベントや行事は準備が大変で、その時期には残業や持ち帰りの仕事も多くなる傾向があります。保育中に練習をさせなくてはならないこともあり、保育の時間が訓練のようになることもあります。
企業内保育所での仕事は、自分の生活や時間を大切にしながら、生き生きと保育ができるメリットがあります。
大きな企業での企業内保育所の場合、さまざまな面で安定した待遇を受けることができます。雇用や給与についての福利厚生についても、企業の他の社員と同じような待遇です。
一般の保育園の場合は、助成金によって給料が決定しますが、企業内保育所の場合、企業の経営成績が良いと給与に関して昇給することがあります。福利厚生や給与面においても企業内保育所は良い待遇を受けられる可能性があります。
人数の多い保育園で働いてみたけれど、自分には保育が向いていないと感じた人は企業内保育所の少人数保育は魅力かもしれません。企業内保育所は、少人数保育の場合が多いため、一人ひとりに向き合った保育ができます。
小人数のアットホームな環境は、企業内保育所の大きなメリットといえるでしょう。子どもの数が少ないと、保育にかける時間にも余裕ができるため、他の保育士との連携も取りやすくなり、ゆったりとした保育ができるでしょう。
企業内保育所自体の歴史は浅いため、いろいろな意見や活動が取り入れられやすいという土壌があります。一般の保育園では1年を通してやるべきことが決まっている場合が多いですが、企業内保育所では、保育士の意見や発想が尊重される面があります。
企業内保育所で働く保育士の中にも、保育の活動に対する思いや、人よりも秀でた特技を持っている人もいるはずです。このような保育をしたい!というアイデアや思いが、企業内保育所ではかなえられる可能性があります。
保護者の方の人数が少ないことで、預け入れやお迎えのときに、子どもの様子をしっかりと丁寧に伝えることができます。保護者の方一人ひとりとのコミュニケーションが取りやすく、お互いのことを良く知ることができるのも、企業内保育所のメリットです。
コミュニケーションによって、保護者の方との信頼関係も生まれやすく、信頼関係によってクレームも少なくなるため、保育においてものびのびと活動することができます。さらに、子どもの具合が悪いときでも、保護者の方が近くにいることで連絡を取りやすいということは、企業内保育所の魅力です。
ここからは企業内保育所のデメリットについてお伝えします。ただし、これらのことが自分にとって本当にデメリットなのかを、ぜひ考えてみてください。
企業内保育所は、ビルの中の一角であったりすることが多く、広い園庭が用意されているわけでもありません。子どもと一緒にたくさん身体を動かすのが好きという保育士にとって、企業内保育所では物足りない部分があるかもしれません。
もちろん、天気の良い日は近くの公園に行くなどの工夫はありますが、活動がマンネリ化しすることもあるため、物足りなさを感じるときもあるでしょう。
企業内保育所は少人数保育が魅力であるため、逆に大人数の子どもに対しての保育の技術は身に付けることが難しいと考えられます。
将来主任や園長などを目指したいと考えている保育士にとっては、さまざまな経験をしておく必要があります。その点、企業内保育所ではそのようなスキルを身に付けることは難しくなります。同時に人数の多い保育園への転職も難しくなる可能性があります。
もちろん、少人数ならではの保育の難しさもあるため、自分自身がどのような保育士になりたいのかをしっかりと考える必要があります。
企業に何らかの問題がでてきてしまった場合、企業内保育所の利用者の状況が変わることがあります。利用者がいなくなるとと閉園をしなくてはならない事態も考えられます。さらに、国や自治体からの補助を受けていない場合、企業のダメージが直接企業内保育所にも及び、施設の閉鎖の恐れもあります。
企業内保育所で働くことを考えている人は、企業内保育所の内容だけでなく、運営元の企業についても調べておく必要があります。企業のリスクも知ったうえで企業内保育所を探す必要があることを覚えておきましょう。
今回は、企業内保育所についての概要やメリット・デメリットについてお伝えしました。企業内保育所は、企業の休日に合わせてお休みがとれるため、子育て中の保育士にとっても働きやすい職場です。さらに、企業内保育所は負担の少ない保育内容であることから、多くの人にとって働きやすい職場だと考えられています。
このように、多くの魅力がある企業内保育所で働きたいと考えている人は、ぜひジョブトル保育にご相談ください。ジョブトル保育にご相談をいただくことで、お客様に合った企業内保育所のご紹介が可能です。さらに、企業内保育所の雰囲気や待遇面までお伝えすることができますので、安心して就職することができます。
また、就職後も、気になる点は、企業とジョブトル保育が直接交渉いたします。働きやすい環境づくりのお手伝いを一生懸命させていただきます。
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