保育関係の仕事に「学童保育士(学童保育指導員)」があることを知っていますか。最近では需要も多いため、学童保育士という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。ただし、実際にはどのような仕事なのかよく分からない人もいるはずです。
今回は学童保育士(学童保育指導員)の仕事内容や待遇を紹介します。また、学童保育士として働く際のメリットとデメリットについても解説するので、学童保育士に興味のある人や、働いてみたい人はぜひ参考にしてください。
多くの人は学童保育を学童と呼んでいることが多いのではないでしょうか。学童とは、保護者が働いているために、子どもたちが放課後や夏休みなどの長期休暇に利用する施設のことをいいます。以前は小学校の中で運営されていた公営のものがほとんどでしたが、最近では民間企業によって運営される学童も多くなってきました。
学童保育士とは、学童と呼ばれる学童保育で働く人のことを指します。働く保護者が多くなり学童のニーズが高まる中
学童保育士の確保は難しいという現状があります。では、学童保育士とは実際にどのような仕事なのでしょうか。ここでは学童保育士の仕事内容を具体的に説明します。学童保育士の概要を知ってこれらの仕事を目指すための参考にしてください。
学童保育士という名前から、乳幼児の保育に関係する仕事なのではと思われがちですが、学童保育士は小学生の子どもたちの面倒をみるための仕事です。そのため、通常保育との大きな違いは施設に集まる子どもたちの年齢です。
また、学童保育士は働き方も保育士とは違います。朝から子どもたちの保育をする保育士とは違って、学童保育士の仕事は昼頃から始まります。保育園のような朝番や遅番などの当番制で仕事をすることはほとんどありません。
さらに、学童保育士は学童期の子どもたちが安心して楽しく過ごせる場所をつくる責任も担っています。そのため、放課後に子どもたちが宿題を自主的に行う場所の提供も保育士とは違う仕事となります。
もちろん、保育士の仕事と似ているところもあります。学童保育士も保育士のように保護者との連絡を大切にしています。施設によっては連絡帳などで子どもの様子を伝えたりする場合もあります。
さらに、学校との連携をはかりながら多くの大人たちが子どもたちの育ちを見守ります。このようなところは、保育士も学童保育士も同じだといえるのではないでしょうか。
学童保育士になるためには専門の資格は必要ではありません。ただし、働いている人の多くは、保育士の免許や教員免許を持っていることが多いようです。子どもについて多くの学びを得てきた人にとって学童保育士は自分の知識を使える親和性の高い職場なのかもしれません。
ただし、2015年に「放課後児童指導員」という資格が新設され、現在では学童に「放課後児童支援員」の資格を持つ人を原則最低2名以上配置しなくてはならない規則があります。
そのため、この資格を持つことで、学童保育士(学童保育指導員)への就職や転職が有利になっています。では放課後児童支援員の資格はどのように取得すればいいのでしょうか。
放課後児童支援員になるためには以下の要件のいずれかの1つを満たす必要があります。
以上の要件を満たした人は、放課後児童支援員認定資格の研修を受けられます。
この研修は、学童保育で働くために必要な知識や技能を身に付けることが目的のため「学童保育の運営方法や育成支援」「子どもの発達に関する知識」「安全対応」「保護者や地域との関わり方」など6分野16科目の内容です。
開催するのは各自治体で、保育士など免許があることによって受講免除の科目もあるため、申し込みの際に確認をするとよいでしょう。
学童保育士は正規雇用である専任職員の場合と、パートやアルバイトなどの非正規職員での募集があります。正規雇用の場合、保育士や教師、社会福祉士などの免許や資格を持っている場合が多く、研修を受けると放課後児童支援員になれるという人がほとんどのようです。
非正規雇用の場合は免許や資格がなくても、子どもが好きであったり、子育ての経験があったり、働く時間が自分に合っているなど、さまざまな理由で採用されているようです。
厚生労働省の資料によると学童保育士の年収は394.3万円となっています。保育士の平均年収が396万円であるため、ほぼ同じぐらいの給与ではないでしょうか。ただし、学童保育士(学童保育指導員)は昼頃からの出勤であったり、残業などもほとんどなかったりと、給与に対して、仕事量のバランスが違うのかもしれません。
学童保育士(学童保育指導員)は、保育士からの転職も多い仕事です。さらに、男性の求人も多いことから男性保育士からの転職も多いようです。
保育園で保育士として働いてきたけれど、もっと年齢が高い学童期の子どもたちと関わりたいと考えている人にとって、学童保育士はおすすめの仕事です。また、自分たちでおやつを作ったり、子どもたちと一緒に工作をしたりなど、料理や手先が器用な人にとっても学童保育士はおすすめの仕事ではないでしょうか。
【参考】
厚生労働省 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 第十条3
では、実際に学童保育士はどのような仕事をしているのでしょうか。ここでは学童保育士の仕事内容や一日のスケジュールを解説します。
主な仕事の内容は以下のようになっています。
これらの仕事をチームで行いながら、子どもたちがリラックスして安心して過ごせるように環境を整えます。誕生会や季節のイベントを実施する学童も増えてきているため、稼業内にそれらについて意見を出し合い準備をすることもあります。
さらに、月に何度か子どもたちと一緒に手作りのおやつを作る場合もあるため、あらかじめ買い出しや準備をしておく必要もあります。
学童保育士の実際の一日のスケジュールは下記の通りです。
昼頃に出勤し、自分の出勤簿の記入後、施設の管理や受け入れ体制など環境整備のチェックをし、子どもたちのおやつの準備をします。
14時頃から低学年の子どもたちが来所するため、子どもたちの出欠確認や子どもの心身の健康状態を観察。
子どもたちは、宿題や自由遊びを始めるので、安全に子どもたちが過ごせるように見守りやサポートを行いす。
おやつの提供は、多くの子どもたちが集まる15時ごろです。
保護者が迎えに来た子どもから帰宅をします。保護者には、今日の様子などを伝えます。
全員が帰宅した後に、今日の日誌を記入・、全員で振り返りなどを行い、閉所です。だいたい19時ごろに退勤となる場合が多いようです。
学童保育士はとても魅力的な仕事です。しかしながら、どのような仕事においてもメリット・デメリットがあります。ここでは学童保育士のメリット・デメリットをお伝えします。
学童保育士は子どもたちと過ごす時間が多いため、子どもの成長や発達を感じることができます。子どものサポートは、自分でできることが多くなってきた子どもたちが多いため、生活のお手伝いが、保育士と比べると少なくてすむことも大きなメリットでしょう。
また、勤務時間も短いため、自分の生活に合わせた働き方ができます。さらに、共働きの世帯が増えているため、学童保育士の求人が多いこともメリットとして考えることができるでしょう。
その他、放課後児童支援員の資格は働きながら取ることもできるため、キャリアアップも目指せます。
児童期の子どもたちの年齢は幅広く、思春期を迎える子どもたちもいます。思春期の子どもたちへの対応は難しく、精神的に悩みを抱えることもあるかもしれません。また、力も強くなってきているため、労働時間は短くても、体力的に大変なときもあるかもしれません。
今回は学童保育士についてお伝えしてきました。保育士の資格を持っているけれど、保育園で働くことに悩んでいる人にとって、学童保育士の仕事はとても魅力的な仕事ではないでしょうか。
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