保育士は子どもと一緒に過ごす時間が長い仕事です。楽しい時間も多いけれど、ときには子どもに怒ってしまうこともあります。なかには子どもに怒ってばかりで悩んでいる保育士もいるのではないでしょうか。
今回は子どもに怒ってばかりになってしまう理由を解説していきます。また、怒ってばかりの対処法や子どもに対してやってはいけない行為についてもお伝えします。現状をどうにかしたいと考えている保育士にとって役に立つ内容です。ぜひ参考にしてください。
保育士になるときに、子どもとの楽しい毎日をイメージしていた人も多いはずです。でも、実際保育を行うと、怒ってばかりの自分に嫌気がさしてしまうこともあるのではないでしょうか。
保育士として子どものためにがんばっているつもりでも、保育がうまくいかないときもあります。そのようなとき、イライラがきつい言葉となり、子どもたちに怒りとしてぶつけてしまうことはありませんか。
怒ってばかりで自己嫌悪になる保育士は一生懸命がんばっているからこそなのかもしれません。子どもへのエネルギーが多い保育士は、怒る行為につながってしまう場合もあります。もちろん安全を守るときには、強い言葉で話すことも必要なときもあるでしょう。では実際に保育士はどのようなときに怒ってしまうのでしょうか。
保育中に保育士はどのようなときに怒ってしまうのでしょうか。怒る原因を客観的に知ることで、自分の怒る場面との違いを知ることができます。また、怒りに対する同じ部分を感じることもできるでしょう。子どもに対して怒る原因はひとつではないため保育中にいつも怒ってしまう感じがしてしまうのかもしれません。
どのようなときに怒ってしまうか、その原因を知ってみることで、自分の怒りについてもよく理解できるようになるはずです。
やらなくてはならないことがたくさんあると、精神的に追い詰められてしまうことも多くつい怒ってしまいます。また、行事の前後などに疲れがたまっているとついイライラとしてしまいます。さらに私生活でうまくいかないことがあるとつい怒りっぽくなってしまうこともあります。
どれも気持ちに余裕がないときにネガティブな行動になりやすく、それが怒りとして出てしまうのではないでしょうか。これらのことは、自分に問題があるため、怒っても解決しないことは分かっているはずです。でも、どうしても怒ってしまうことがあるようです。
子どもが自分の思ったようにならないとつい怒ってしまいます。例えば、運動会や、発表会など、保育士が最終的なイメージを持っている行事などで怒りの場面が多くみられます。保育士のイメージに近づけたい思いが子どもに命令する形となります。そして、最終的に怒って言う事をきかせるという場合が多くなるのではないでしょうか。
子どもが自分の思った通りの行動をしないことで怒ると、怒られることでしか行動できない子どもになってしまいます。そうなるとまた怒って何かをやらせ、また怒って行動させるというふうに怒ってばかりとなってしまいます。
園長や主任から保育について命令ばかりされ、自分の考えを持って保育をできない時、怒ってしまうことが増えてしまうかもしれません。休憩時間なども取ることができず、ずっと子どもと一緒にいることでストレスもたまってしまいます。
また、同僚の先生との仲が悪いと、自分の保育に対して何か悪口を言われていそうで、不安な気持ちを子どもへぶつけてしまうこともあるでしょう。保育について相談ができるような、もっと働きやすい園であれば怒りも半減するはずです。
働く環境は自分で選べます。環境が悪いことで自分でも嫌だと感じている怒りっぽい保育士になってしまうのならばぜひ環境を変えてみてください。
もともと怒りっぽい性格であったり、口調がきつかったりする保育士は、自分でも気がつかないうちに怒ってばかりの保育を行ってしまいがちです。ほかの保育士から注意を受けて初めて自分が怒ってばかりだったと気づく人もいるでしょう。何事にも一生懸命に取り組む性格の保育士も怒ってばかりになりがちです。
子どもに対して一生懸命であったり思いが強かったりするのは、悪いことではありませんが怒ってばかりにならないように気をつける必要はあるでしょう。
保育士は専門性を持っている仕事です。専門性のひとつに子どもの発達を知っているということがあります。子どもの発達を知らないと、怒ることで子どもにいうことを聞かせてしまいがちです。自分のやり方が子どもたちに理解されないと、イライラして、結果として怒ってしまうことがあります。
子どもに怒ることと叱ることは違う行為であることを知っていますか。怒ると叱るは意味が異なります。
怒るは自分自身の感情の噴出です。つまり、自分の思いが強い時に出てきます。保育士の怒る行動は、子どもにとって理解ができないことが多いために、子どもは怒られるようなことを何度も繰り返してしまいます。そのため、保育士はさらに怒りを爆発させてしまうことになります。
怒る態度が繰り返し行われると、子どもたちは何かあるたびに保育士を気にしてしまい、自分らしい毎日を過ごすことができなくなります。「こんなことを言ったら怒られるかな」などと、子どもは保育士に怒られないように過ごすことだけに注意をするようになってしまいます。
このような環境は、決してよいものではないことを保育士のみなさんはきっと知っているはずです。
怒りと違って、叱るということは子どものことを思って、感情的にならずに注意をする行動です。つまり、頭ごなしに悪いというのではなく、どうしてそうなってしまったのか、子どもが理解できるような態度で注意することが叱るです。
叱られたことで、なにが良くなかったのか理解できるようにするのが保育士の仕事です。叱るのが難しいと、感じている保育士もいるでしょう。子どもたちに対して上手に叱れる先輩保育士が周りにいたら、ぜひ参考にしてください。最初はまねをすることから始めてみましょう。
ここまでどのようなときに怒ってしまうか、また、怒ることと叱ることの違いについて解説してきました。ここからは、怒ってばかりにならないようにするためには、どのようにしたらよいのか具体的な方法について説明します。
保育の場で環境といわれたとき、物的、人的を思い浮かべる人は多くいますが、実は時間も環境のひとつです。給食の時間や午睡の時間が明確に決まっている場合、そのような時間の環境は保育士にとって大変なストレスです。
緩やかな時間の環境においては、保育士が時間に追われてしまうこともありません。ゆったりと保育を行うことができます。時間の環境について改善がほしい場合、園長や主任、栄養士の人と保育士が一緒に話し合いを持たれることをおすすめします。
子どもの発達を知っていれば、本当にこの場面で怒ることが必要なのかが分かるはずです。例えば、0歳児の子どもに対して怒ってばかりになる保育士がいないことは、子どもの発達を知っているということになります。
特に、保育園は乳児も幼児もいる施設のため、年齢に合わせた保育のやり方を知ることによって、怒ってばかりになる事態は避けられるでしょう。
子どもたちは保育士が大好きです。話もたくさん聞いてもらいたいし、自分だけを見て欲しいと感じています。逆に保育士が怒ることで、子どもは恐怖を覚えます。このような状態で信頼関係は築けません。さらに、子どもは怒ってもその態度が怖いことで言う事を聞きますが、内容を理解しているわけではありません。
ぜひ子どもたちと良い関係を築く努力をしてください。それは全く叱らないということではありません。子どもが納得するような場面で叱ることで信頼関係は築かれていきます。
待つことや子どもの行動を先回りしたい気持ちを抑えることは、とても大変なことです。ただし、待つことで、子どもがどのような行動をするか、子どもが何を感じ、考えているかを知ることができます。そのためにも、待つ努力をしてみましょう。簡単なことではありませんが、ゆっくりと深呼吸をすることで気持ちが変えられるときもあります。
一斉に何かをする保育をしていると、保育士が思った通りにならない場面が多く見受けられます。主活動として活動が決まっていると、それをしなくてはならないことで怒ってばかりになりがちです。子どもの発達に応じた環境構成によって、子ども達が自ら遊びをひろげていく主体的な保育を目指してみることも考えてみてください。
主体的な保育によって時間や一斉的な活動にとらわれないことで怒るということ自体が少なくなるはずです。自分で考えることができる子ども達を育てることはこれからの将来をたくましく生きる人を育てることにもなります。
仕事の時間が長い、休憩時間がとれない、有給休暇が取りづらいなどの働く環境を見直すことでストレスを少なくし、疲労も軽減できます。働く環境を変えることで怒ることも少なくなります。本来の自分を取り戻すこともできます。怒ってばかりの環境を見直したいときには、ぜひジョブトル保育にアクセスしてください。福利厚生のしっかりとした、ご自身に合った保育の場をご提供させていただきます。
「怒ってばかりの自分が嫌になってしまう」「怒らない方法も考えてみたけれど、それでも怒りを抑えられない」という保育士のために、怒るときに気をつけてもらいたいことをお伝えします。乳幼児期における経験は一生において影響を及ぼすことがあります。ぜひそのことを忘れないようにしてください。
保育士の気持ちを吐き終わるまで、くどくどとお説教することはやめましょう。これは子どもにとって全く効果のないことです。さらに、話が長いことで怒る論点がずれていきます。子どもはなぜ怒られているのか理解することが難しく、どうしたらよいのか分かりません。
特に気にもせずにみんなの前で怒る場合がありませんか。もし、自分がみんなの前で園長から叱責を受けたら、パワハラだと感じるはずです。子どもだから良いということはありません。子どもにも人権があることを理解して叱るようにしましょう。
「だからあなたはダメなの」といった人間性を否定されることで、自分はダメな人だと感じてしまいます。人間性を否定されると自己肯定感は育ちません。保育士は、子どもの一生にわたる情緒の成長に大きく関わっています。自分が思っている以上に子どもの人生に関与していることを忘れないようにしましょう。
怒りながら腕をひっぱったり、背中を押したりすることは絶対やってはいけません。これは保育士における暴力とみなされても仕方がない事案です。そのようなことが頻繁に起こってしまうと力で何かをしようと考える子どもがでてきます。将来、DVや虐待につながっていく危険性もあります。
怒ってばかりの自分が好きなわけではないはずです。怒ることが子どもとの関わりにおいて望ましくないことを念頭に置いて、関わり方に工夫をしてみてはいかがでしょうか。
子どもの語彙は大人に比べて少なく、情報を伝えることも断片的な場合があります。話の内容が分からずイライラしてしまう前に、もっと話を聞いてみようという態度に変えてみてはいかがでしょうか。
保育士から子どもに伝える場合も、わかりやすく、短めに話をすることを心がけてみましょう。子どもとの関わり方を変えてみると、怒ることも少なくなるはずです。
子どもへの共感力をつけてみると、怒ることも少なくなってくるでしょう。子どもの言葉や態度に共感することは、子どもからの信頼を築くことになります。子どもの言葉や態度に共感する力を身につけることは、自分自身の保育のスキルをあげることにもなります。
保育中に叱ってしまったとき、その後の子どもとの関わりはとても大切です。怒りが収まらず子どもを無視してしまったり、逆に怒ってしまったりしたことで自己嫌悪になり、なんでも言う事を聞いてしまわないようにしましょう。あなたのことが大切だから叱ったという態度を示すことはとても大切です。
ここまで怒ってばかりの保育に対して、問題点や解決策を説明してきましたが、一番大切なのは自分に合った保育園で働くということです。自分ひとりだとたくさんの保育園から自分に合った保育園を探すことはとても難しいことです。
そんな時はぜひジョブトル保育にご相談ください。毎日が輝ける保育ができる場所をご提案させていただきます。
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