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    応答的保育とは?コツや重要性、注意点を解説

    #保育ノウハウ #保育業界の基礎知識 2024/02/09

    保育の方法の1つに応答的保育があります。応答的保育は保育士であれば知っておきたい知識ですが、具体的にはどのような保育のことをいうのか分からない保育士もいるのではないでしょうか。

    今回は応答的保育とはどういうものか分かりやすく解説していきます。この機会に応答的保育の理解を深め、実際の保育現場で応答的な関わりを持ちながら保育をしてみませんか。

     

    応答的保育とは

    保育所保育指針の乳児保育に関わる基本的事項には、特定の大人との応答的な関わりという言葉が記されています。さらに1歳以上3歳児未満の基本的事項にも応答的に関わることが必要であると書かれています。

    保育士は常に子どもの様子に気を配り、即座に対応できる姿勢が必要です。幼児期になっても子どもの思いや意図を受け止めることはもちろんのこと、認めること、対応するなど、子どもとの丁寧な関わりこそが応答的保育です。

    保育士が応答的に子どもたちと関わることで、安定した保育園での生活を送ることができるといわれています。では、実際に応答的な保育とはどのような保育を指すのでしょうか。

    応答的というと、保育士との言葉のやりとりというイメージが強いのですが、実際の応答的保育は言葉のやりとりだけを指すのではありません。もちろん、子どもとの言葉での関わりも大切ですが、子ども自身が周囲の環境や働きかけることが前提にあります。

    環境とは人的環境だけでなく、物的な環境も含まれます。子どもたちの環境への働きかけを重視しながらの応答的保育を行います。

    応答的保育の実践や研究は20年以上行われており、応答的保育が子どもの成長や発達にポジティブであることが認められています。

    【参考】厚生労働省 保育所保育指針 乳児保育に関わるねらい及び内容 基本的事項 

    人や環境との応答的な関わり

    子どもから人や環境への働きかけは普段の保育でもよくある場面です。そのときにどのような反応を示すか、その関わりによって応答的保育であるかを判断することになります。ここでは人や環境にどのようなものが応答的関わりなのかを解説します。

    人との応答的な関わり

    保育用語辞典には「人との応答的な関わりについて子どもの働きかけに応え、適切に関わることが大切なこととなる」と書かれています。

    子どもからの働きかけとは、子どもの言葉はもとより、表情、動き、状況のなかから理解したうえ、その理解に基づいて応えていかなくてはなりません。このようなことは保育士の専門性であり、保育士全員ができなくてはなりません。

    親から離れ、子どもにとって不安で、泣きたくなるような保育園のスタートにおいても、子どもの心と上手に応答的に関われることが望ましい保育士の姿です。

    環境との応答的な関わり

    言葉以外でも応答的保育に必要なものは環境です。応答的保育を行う際には子どもが自ら環境に働きかけることのできるように、保育士は気をつけなくてはなりません。砂や水などは子どもの働きかけによって自在に形を変えて応えてくれるもののひとつです。

    日々遊んでいる砂や水にそのような特徴があることを知ることも大切です。室内では積み木や粘土なども応答的なかかわりをしてくれる玩具です。ぜひ子どもの思いが具現化できる経験を保育で行ってみてはいかがでしょうか。

    【参考】保育用語辞典 第8版 ミネルヴァ書房 p102 p143

    応答的保育のために行うコツ

    応答的保育を行うために保育士が知っておくべきコツがあります。実際にどのように行うことで応答的保育に近づけるか、ここではそのコツをお伝えしていきます。簡単に行えることではありませんが、保育士が少し気をつけるだけで、応答的保育は始まっていきます。

    主体的な保育

    子ども自らの声を聞き、その声によって保育を展開させる主体的保育は、応答的保育といえます。保育士の言うことで保育が進んでいく一斉保育を行っている園では、応答的保育は難しいと考えられがちですが、本当にそうでしょうか。

    実際保育士はあらゆる場面で子どもの声に耳を傾けている場合が多いはずです。その声をどう活かすかを考えてみること、それを子どもたちと相談してみるだけでも応答的なやりとりになります。

    急にプロジェクト的な方法で保育を行うことは難しい面もありますが、外で何をして遊ぶかを子どもたちと相談するぐらいは、簡単にできるでしょう。

    子どもたちは保育士と心や言葉のやりとりを繰り返すことが可能になるはずです。ただ、保育士は話を聞くうえで自分の気持ちを伝えたり、自分の思いに寄せてしまったりすることのないよう気をつけなければいけません。

    子どもの主体性を大切にすることこそが、これからを生きる子どもたちに大切なことであることを念頭に応答的保育を行ってみてください。

    環境構成

    主体的保育を行う、子どもの声を聞く応答的保育を行う際に環境を構成することは必須といえます。子どもが遊び込める環境構成をつくることがすでに応答的保育となっています。室内の環境構成として一番イメージしやすいのがコーナー遊びではないでしょうか。

    子どもが自分の遊びを見つけやすく、また、多くのコーナーで子どもたちの声で遊びが広がっていきます。「もっとこうしたい」「ここはこんな風にしたい」などの声に保育士が丁寧に対応することで、応答的な保育が可能になります。

    ただし、最初の環境構成は保育士が行わなければなりません。子どもの興味関心はもちろん、年齢の発達に応じて、さらに、ひとり一人の発達を考えて環境を構成してください。ごっこ遊びだけでは優れた環境構成とはいえません。

    遊びを通しての学びが得られるような環境構成であり、そこで繰り広げられる応答的保育によって、子どもたちの成長をより感じることができるはずです。

    応答的保育の重要性

    なぜ応答的保育が良いとされているのでしょうか。ここからは応答的保育の重要性についてお伝えしていきます。

    愛着を育む

    愛着とは、ある特定の大人との間にある愛情の絆のことです。保育士は子どもたちと愛着関係を築く必要があります。

    特に、言葉を持たない乳児において愛着を築くためには、保育士は子どもとより丁寧に関わる必要があります。愛着を育まれた子どもはその後の成長において、より豊かな対人関係を得ることが可能です。そのために、保育士は子どもの表情や態度から子どもの欲求に応える必要があります。それをかなえるための態度や言葉、さまざまな関わり方こそが応答的保育につながっていきます。

    応答的に行う抱っこは愛着関係を築くひとつではありますが、抱っこだけでは愛着関係は生まれません。保育のプロである保育士は子どもの欲求をかなえる方法をたくさんお持ちのはずです。その子どもに合った応答的保育で深い愛着を育んでください。

    自己肯定感を育む

    応答的保育で育まれるもののひとつが自己肯定感です。この自己肯定感は自分の力を他の人の態度や言葉かけでより成長させることができます。

    できても、できなくてもどのような自分のことも認めてもらえることで、より自己肯定感は育まれます。子どもたちとの応答的な保育で繰り広げられる言葉の世界は、ときに、励まされ、認められることが繰り返し行われます。

    どのような自分でも大好きになれることによって、大人になったときもたくましい心を持つことができます。同時に、自分が好きな気持ちは他人を大切にする気持ちにもつながります。応答的保育は子どもたちの心の成長重要であることが理解できます。

    コミュニケーション力を育む

    テレビやゲームなど一方向の情報が身の回りにある子どもたちにとって、双方向で情報が行き交う経験はとても大切です。人との関わりは生涯あるため、どのような言葉を使いどんなふうに話すべきかを子どもの頃に知ることはとても大切です。

    家庭でのコミュニケーションの方法と保育の場でのコミュニケーションは違ってくるため、応答的保育で得られるコミュニケーションの方法は自然と多くなります。大人になって必要な能力のひとつがコミュニケーションの力です。

    子どもの未来のためにも応答的保育は必要な保育の方法かと考えられます。

    応答的方法の注意点

    応答的保育とは、子どもとコミュニケーションを行いながら好きなことをやらせると思われがちですが、応答的保育を行う際には注意点があります。応答的保育は、応える技術が必要です。どのように応えるべきかを説明します。

    保育士の言葉の質

    応答的に絶対必要なものが言葉です。保育士が何気なく発している言葉ですが、その質はどうでしょうか。

    否定的な言葉を使わない

    「だめ!」や「知らない」などの否定的な言葉は、応答的保育にはふさわしくありません。それはほんとうにだめなことなのか、知らないことなのか、保育士はもう一度考えてみる必要があります。

    もし、道徳的にだめなものであったとき、その子にどのように伝えるかその技術こそが保育士の専門性です。強く厳しい言葉は子どもにとって、その物事がいけないことを知る以前に、先生にだめと言われるからという理由になってしまいます。

    強制しない

    さらに「こうしなさい」「こっちのほうがいい」などの強制は、応答的保育ではありません。強制した言葉は言葉のやりとりを生みません。保育士としてその子どもにどのような言葉をかけるべきか、その場でいつも考えなくてはいけません。子どもの言葉に即時反応できる柔軟な対応こそが、応答的保育に必要であり重要です。

    保育士の保育の質

    保育の質が上がることこそ、応答的保育へと移っていることを表します。子どもにとって楽しい保育は強制されるものでも、みんなで一斉に行動することでもありません。では、保育の質を上げるにはどのようなことが必要なのでしょうか。

    子どもの受容と共感

    応答的保育に必要な共感ですが、共感と受容の違いを分かりますか?共感の場合、受容の場合では子どもとの交わす言葉が変わってきます。

    例えば、保育士が嫌いなトマトについて子どもが「トマトおいしいよね」と伝えてきた場合、共感しにくいでしょう。しかし、子どもの言葉を受容することはできます。その場合、子どもに応答する言葉は変わってくるはずです。

    このように、保育士はより深い応答的な保育ができるように考えていかなければなりません。

    子どもの発達に応じて

    子どもの発達を見ながら、その子どもに合った応答的な保育をすることが応答的保育です。発達は、1人ずつ違うことを念頭に保育を行う必要があります。

    「この子どもにはどんな言葉かけがいいのか」「玩具はどれがいいのか」と、頭を悩ませるのも保育士の楽しみのひとつかもしれません。ぜひ応答的に関わりを持ち保育をしてください。

    応答的保育を取り入れよう

    今回は応答的保育についてコツ、重要性、注意点についてお伝えしてきました。子どもと一緒につくりあげる、子どもと一緒に遊び関わる保育が応答的保育です。子どもとの応答的な保育によって培われる力は子どもの一生において大切なものです。ぜひ、応答的保育を取り入れ子どもの明るい未来へのパスポートをつくりあげてくださいね。

    私たちジョブトル保育では、応答的保育を行いたいと考えている保育士に魅力ある園をご紹介します。ぜひ、保育園選びにお役立てください。

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