保育施設にはたくさんの種類があります。保育士として働くのならばどのような施設がよいのでしょうか。また、自分に合った保育施設を考える時にも、施設の違いや種類を知っておくことはとても大切です。
今回は保育施設についてその特徴やメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。保育施設を知って、自分の働き方に合う施設を探してみてください。
保育士になったときに、自分はどのような種類の保育施設で働きたいかを明確にされている方もいるのではないでしょうか。それとは逆に、自分の働くスタイルによって保育施設を決めていきたいと考えている方もいるはずです。
現在保育施設の種類はさまざまで、保育施設の種類を知っておくことは、就職や転職においてもとても大切です。ここでは保育施設を認可保育所と認可外保育所の2つの種類に分け、それに当てはまる保育施設を紹介いたします。
まずは認可、認可外にどのような種類の保育施設があるかを知ってください。保育施設をさまざまな角度から認識することによって、働く保育士のイメージを持つことができるのではないでしょうか。
認可保育所とは国が決めた認定基準を満たしている保育所のことです。国や自治体から運営費用を受けて保育を行っています。そのため、給料の面など運営において安定しているといわれています。
利用される方の保育料については、3歳から5歳までの子どもの保育料は無償化されています。0歳から2歳までの子どもは住民税非課税世帯を対象として無償化が適用されています。敷地面積などの明確な決まりがあるため、都心の場合は駅の近くの設置は難しく、駅から少し離れた場所にある場合が多いようです。
自治体が運営している保育園です。そのため、各自治体で決められた保育計画によって保育が行われます。働いている保育士は保育士の資格を持った地方公務員です。そのため、公立保育園で正規職員として仕事をする際には公務員試験に合格する必要があります。
公立保育園の運営が自治体でおこなわれていることに対して、私立保育園の運営は社会福祉法人や学校法人などさまざまです。最近では企業内保育園など、民間企業が運営する場合もあります。
私立保育園の採用はその園独自の基準で行います。もちろん保育士資格を取得していることが前提ですが、園によってさまざまな特色がある場合も多く、自分の働きたい園を選んで就職活動をすることも可能です。さらに保育の理念も園によって違います。そのことによって保育の方法や考え方に違いがあるのが私立保育園の特徴です。
認定こども園は就学前の教育・保育を一体として捉え、一貫して提供する枠組みです。最近では認定保育園も増えてきています。認定こども園には以下の4つのタイプがあります。
幼保連携型は幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ単一の施設として機能を果たすタイプです。
幼稚園型は認可幼稚園が保育を必要とする子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えたものです。保育所型は認可保育所が保育を必要としない子どもを受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えるタイプです。
地方裁量型では幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が認定こども園として必要な機能を果たすタイプです。現在は幼稚園が認定こども園になる場合が多いようです。
【参考】内閣府認定こども園概要
認可外保育園と聞くと、認められていない保育施設と考えられがちですが、設置や運営についてきちんと基準が設けられている保育施設です。基準が認可保育園よりも緩やかであるために認可外保育園と呼ばれています。
認可外保育園の種類には保育施設のほか、病児保育事業や一時預かり事業、ファミリー・サポート・センター事業などが含まれます。保育の必要性があると認められた場合、3歳から5歳までの子どもは月額37,000円を上限に無償化されています。住民税非課税世帯では0歳から2歳のクラスで月額42,000円を上限に保育料が無償化されています。
都市部においては駅から近い場所にある場合も多く、小規模な保育施設が多いのが特徴です。園庭がないこともあるため、公園を園庭として使ったり、街全体を使った保育など、特徴のある保育ができることが認可外保育園の魅力です。
さらに保育内容についても特色のある保育ができます。英語や音楽、幼児教育に力を入れた活動を行えるのも認可外保育園ならではの魅力です。このような魅力を持つことで、保護者の方から支持を得ている認可外保育園もたくさんあります。
また、働く保育士からも認可外保育園での就職に際して、自分の得意分野を発揮しやすいことや、小規模の園が多いことで落ち着いた保育ができると好印象です。ご自身が音楽やダンス、英語や歌などが得意であれば、特技を生かした保育ができることは働きがいにつながるはずです。
少ない人数の子どもとの落ち着いた関わりを大切にしたい、行事の準備などに時間をとられたくない方にも小規模の認可外保育園は魅力的な保育施設だと考えられます。
【参考】内閣府 幼児教育・保育の無償化
では次に、公立、私立の施設ごとの働き方についてメリット、デメリットをお伝えいたします。これからどのような保育施設で働くか考えている方はぜひ参考にしてください。
公立保育園でのメリット、デメリットはどんなところでしょうか。公立のイメージは安定という方も多いようですが、それ以外のメリットもたくさんあります。
公立の保育士になりたい場合には、公務員試験に合格しなければなりません。合格すると地方公務員であるため、福利厚生については公務員と同等のものを受けられます。育児休暇は最長3年間あり、共済組合に加入できるなどの仕組みも整っています。
このような仕組みのため産後の職場復帰がしやすいことも公立保育園の大きなメリットでしょう。働き方も自治体の規則により管理されているため、行事の前などには多少の残業もありますが、サービス残業はありません。そのため、定時で終わることがほとんどです。
さらに給与面に関しても勤続年数によって昇給していきます。退職金もあるため、長く働く保育士が多いこともメリットではないでしょうか。
自治体の多くは公務員試験の受験可能な年齢を30歳前後と設定しているため、年齢によっては受験が不可能な場合もあります。さらに、公立保育園の減少に伴い、採用の枠が少ないことはデメリットになるでしょう。
今後インクルーシブ保育を目指す公立保育園も多くなってくることから、子どもとの関わりについて多くの学びをしなくてはなりません。意欲的に学ぶことができないと、子どもたちの保育の質を保つことは難しくなってきます。
そのほか公立保育園のデメリットには異動があります。保育園減少によって保育園以外で働く可能性もあります。保育士として働きたくても、その場所がないのはとても悲しいことです。
では次に私立保育園のメリットとデメリットについてお伝えしていきましょう。私立保育園は法人によって運営されることがほとんどのため、公立保育園にはない仕組みがあります。ぜひ参考にしてください。
私立保育園は保育の内容に特徴がある園も多く、運動、音楽、英語など自分の特技を生かせる園を見つけられます。さらに保育に関しても国が求めている、環境を通した主体的な保育を行なっているところも多く、自分の学びをすぐに生かすことができます。
採用試験のための年齢制限もないことから就職できないということもほとんどありません。そのため、すぐに働きたい気持ちをかなえることが可能です。最近では公立の保育園と給与の違いがほとんどない好待遇の園も増えてきています。
また、大きなメリットとして、自分の働き方をかなえられることがあります。自分のライフワークバランスに合った働き方を選ぶことが私立保育園では可能です。
以前ではサービス残業などがあった私立の保育園でも最近では働き方について多くの改善が見られます。私立保育園の保育士たちは研修などにも積極的に参加できるため、保育の質を高められます。
園長や理事長の考え方が保育に反映することが多いため、自分の保育の方法を認められてもらえないと、自分らしい保育ができません。このことはデメリットになるでしょう。もちろん現在、国で決められている、保育の方法を学んでいる園長も多いため、過度の心配は必要ありません。
次に、大きな法人などでは転勤先の場所が保育施設ではないこともデメリットかもしれません。もちろん、そのことによって多くの経験ができ、保育士の仕事に戻ったときによりよい保育ができるようになっているかもしれません。
このようにデメリットは考え方によってメリットになることも多いため、メリットに多くの目を向けてみてもよいかもしれません。
今回は認可、認可外、公立、私立の保育園についてお伝えしてきました。施設によってさまざまな特徴があります。これらの保育施設を整理することで、自分はどのような施設で働きたいか具体的にイメージできるのではないでしょうか。
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