保育の質を高めるために実施することが多いのが園内研修です。そして、園内研修は保育士にとって重要な研修のひとつですが、その内容はさまざまです。しかし、何を目的として、どのような内容で実施されているのか知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は保育園で行われている主な園内研修の内容や目的についてお伝えします。また、園内研修の進め方についてもあわせて紹介いたします。園内研修がどのように行われているのか、ぜひ参考にしてください。テーマや実施方法についても例を挙げて解説していますので、これからの園内研修にお役立てください。
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園内研修とは、保育の質を向上させるために保育士同士で行う研修です。コロナ禍で多かった、オンライン研修では保育界で有名な先生を講師に招いて、保育士全員が講習を受けられる機会を得られました。
このような研修では録画されたものを使って研修を行うこともできるため、時間や場所を気にせず受講が可能というメリットがありました。その他、管理職のための研修や、主任のための研修、スキルアップ研修などたくさんの研修の種類があります。
園内研修を毎月、毎週行う園、同じメンバーでテーマにそって行う園内研修、外部講師を招く園内研修など、園独自の園内研修を行なっているところも多いようです。効果的な園内研修は保育士のスキルを確実にアップさせるため、ぜひ取り入れて頂きたい研修です。ただし、集まるだけ、雑談だけでは時間の無駄使いとなってしまいます。そのためにも園内研修の目的をはっきりさせることはとても大切です。
ここでは園内研修の目的をお伝えしていきます。多くの園で、園内研修がおしゃべりの機会となり、最後に「頑張っていきましょう」と漠然とした解決方法で終わることが多くなっています。
もちろん保育士同士の心の交流はチームを大切にする保育によい影響があります。ただし、もっと具体的にもっと直接的に研修を行うことが大切です。さらに何をどう頑張るのかが分かれば頑張る方向に共通認識を持てるでしょう。
園内研修の目的のひとつは保育の悩みをお互いに共有するということです。忙しくてなかなか相談できなかった悩みについて、園内研修によって解決方法をより具体的に話し合えます。
お互いの悩みを知り、それぞれの保育観を知って仕事に向かうことは仕事の効率化にも関わってきます。ここで大切なのは悩みを聞くだけでなく、具体的な解決方法を話し合うことです。研修の時間であることを忘れずに、おしゃべりや子どもの情報交換の場にならないように気をつけましょう。
多くの園で保育の質を高める意識を持って園内研修を行なっているのではないでしょうか。保育士全員で保育の質を高めることを園内研修の目的とすることはとても大切です。保育の質を高めるためには保育の課題を専門的な意見や方法によって解決していくことを目指す必要があるからです。
経験だけではなく、新しい保育の方法などを研修によって学ぶこと、それらが保育の質を高めることにつながります。そのためにも園内研修はとても重要な、そして効果が現れやすい研修といえるでしょう。
保育に対するニーズは日々変わってきています。また、今までの保育の内容とこれからの保育では多くの違いがあります。それは以前よりも共働き家庭や核家族の割合も増え、保育所の担うものが格段に多くなってきているからです。
そのような状況の中で、保育士がニーズに対しての共通認識を持つことはとても大切で、どのようなニーズがあって、さらに、そのニーズに対してどこまでケアするのかなど、研修によって共通認識を持つことが必要です。そのような園内研修によって客観的に保育ができるようになると考えられます。
保育士は終業時間まで保育を行なっています。そのため、チームとして働く保育士同士の保育観などを言葉にして共有する時間がありません。お互いの保育観や考え方を知る目的で園内研修が行われることで、お互いに影響を与え合えます。そして、それがよりよい保育になるはずです。
このような目的を持つ園内研修の場合はできる限りファシリテーターと呼ばれる中立の立場の役割を持つ人を立てることが大切です。ただの雑談の場所ではなく、より充実した園内研修となるよう心がけましょう。
ここまで園内研修の目的についてお伝えしてきました。では実際にどのように園内研修を行えばいいのか、園内研修のすすめかたについてお伝えします。どのすすめかたににもメリット、デメリットがあります。自分の園ではどのようなすすめかたが一番よいのか、ぜひ検討してみてください。
保育士同士のディスカッションを園内研修として行なっている園はとても多いのではないでしょうか。普段の保育での悩みや具体的な解決法を保育士同士がディスカッションします。また、意見が出やすいようにグループ分けも必要になります。研修の最後にはディスカッションの内容を発表してさまざまな意見を聞くことが大切です。意見を聞くことによって自分と違う保育の気づきを得られるでしょう。
準備が少なくてすむため急な日程でも研修しやすいのがこの研修です。また、このことによってチームワークがよくなり、保育士同士のコミュニケーションが円滑になります。
解決策が見つけられずに終わってしまう場合があるため、司会進行の人を決める必要があります。人前で自分の意見をいうのが苦手な人にとっては、研修が負担になってします。
保育においてより専門性を持った外部講師を依頼することで、専門性に特化した研修を実施できます。外部講師は言葉で知識を上手に伝えることが仕事ですから、保育士も内容についてより深く理解できます。より充実した園内研修は保育の質を高めるために必要で、外部講師による研修は、より速く保育士の質を高められます。
研修に対して準備の必要がなく、保育士の負担も少ないといえます。また、保育士全員で受けることで共通知識を持てます。そのためには外部講師の講義内容の質の高さが重要になってきます。
外部講師を呼ぶ場合には謝礼が必要です。また、よい園内研修にするためには事前に講師と園の実情を話し合っておくことも大切です。そのようなお金と時間を使えるかどうかを考えなくてはなりません。
自分の園の保護者の方や外部の保育士に日常の保育を見てもらうことを公開保育といいます。公開保育を行うことで多くの人から客観的な意見を聞けます。保育参観と公開保育の違いは保育後に保育に対しての意見を聞く時間があるかどうかです。この振り返りの場こそが保育の質を高める場であることを意識しなくてはなりません。
外部の保育士に日常の保育を見てもらうことで、自分たちの保育を評価してもらえます。また、その評価によって自分の保育をよりよいものにできます。とてもプレッシャーのかかる研修ですが、効果はとても高いでしょう。
公開保育をするまでの事前の準備や当日の会場設定など、多くの仕事があり、負担を感じることがあります。また、たくさんの人が来ることで、子どもたちは落ち着かず、いつもの保育を見せられない場合が考えられるでしょう。
キャリアアップ研修や、その他の研修においては通常、園の代表だけが参加します。その研修の内容を多くの保育士に伝えることを園内研修と位置づけて行う場合があります。忙しい保育士は時間がなくて研修内容を伝えることが出来ない場合が多いため、このように改めて時間を作ることは大切でしょう。
内容の素晴らしい研修を保育園全体で共有できます。また、聞いてきた内容を園内研修で発表することによって外部研修が受け身にならない姿勢を身につけることもできます。多くの人に伝える技術も習得でき、保育士のスキルをアップできます。
自分が園内研修で話すためには、話の進め方や、準備など事前に用意することが多く、負担を感じてしまう場合があるでしょう。また、そのために外部研修に行きたがらない保育士が増えてしまうことも考えられるため、負担にならないルールづくりなどが必要になってきます。
さまざまな園内研修の目的やメリット、デメリットについてお伝えしてきましたが、園内研修を行う際には大切なポイントがあります。これらのポイントを押さえることで、充実した園内研修が行えます。
園内研修では保育士全員が意見を言い合えるような雰囲気が大切です。特に、新たに働き始めた保育士はなかなか意見が言えません。そのためにも、少人数のグループを作るなどの工夫が必要でしょう。さらに、普段から意見の言いやすい職場環境であることも大切です。
保育園の園内研修は午睡の時間を使う場合が多いのではないでしょうか。ただし午睡を含む保育中だと保育士全員が研修を受けることは難しいということになります。そうならないために、少人数で何回も研修を行なったり、同じ講義を複数回行なったりするなどいろいろな方法を考えてみるとよいでしょう。
園内研修で大切なのはやったことで終わりではなく、その研修を行なったことで、何を知ったか、感じたか、今後どうしたいのかといったふりかえりをすることです。さらに、それを言語化して、レポートにまとめることで、より研修の意義が深まることになります。
子どもの成長は大人の成長と比べ物にならないほど早いことを忘れないようにしましょう。それは保育をする者にとって覚えていなくてはならない大切なことです。さらに、保育士も子どもの成長に合わせて多くのことを学び、実践しなくてはなりません。
また、この時代における保育の方法を自分自身でアップデートする必要もあります。それが保育士の醍醐味であり、素晴らしいところです。
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