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    保育士試験の音楽・造形・言語分野の内容と対策!分野選択はどれがいい?

    #保育士の就職・転職ガイド #保育業界の基礎知識 2023/02/17

    保育士試験の実技試験は「音楽」「造形」「言語」の3分野から2分野を選択して受験します。筆記試験と比べると対策が取りにくく、どの分野を選び、どのように準備すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

    そこで当記事では、保育士試験の音楽・造形・言語、それぞれの試験内容と試験にむけての対策について詳しくご紹介いたします。実技試験の分野を選ぶ際のポイントについてもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

     

    保育士試験【実技試験】の概要とねらい

    保育士試験における実技試験は、一次試験である筆記試験の全科目合格者のみ(幼稚園教諭免許所有者等を除く)に実施される二次試験です。まずは、実技試験の概要とねらいを簡単に確認しておきましょう。

    試験概要

    保育士試験における実技試験は、「音楽に関する技術」・「造形に関する技術」・「言語に関する技術」の3分野で構成されており、そのうち2分野を選択して受験します。

    どの分野を選択して受験するかは、保育士試験(筆記試験)の願書を提出する時点で決めなければならないため、事前にしっかり考えておきましょう。

    【参考】一般社団法人 全国保育士養成協議会「保育士試験Q&A 受験手続きについて」

    実技試験実施のねらい

    保育士試験で実技試験が行われるねらいは、実際の保育現場で子どもたちに正しく接することができるかどうかを判断するためだとされています。

    試験本番では、保育士として、音楽・造形・言語を用いて子どもの表現力を伸ばせる力を持っているかどうかが見極められます。

    なお、実際の試験会場に子どもはいませんが、目の前に子どもがいるようにふるまう必要があり、ここでも保育士としての表現力・技術力が問われます。

    合格率と難易度

    厚生労働省が公表する「保育士試験の実施状況(平成27年度)」によると、平成27年度の実技試験の合格率は89.1%と発表されています。過去のデータをみても合格率はおおよそ8~9を推移しており、合格率2~3割の筆記試験と比べると難易度は低いといえます。

    とはいえ、毎年約2割の不合格者が出ている点を踏まえると油断は禁物です。合格するためには、実技試験の内容を事前にしっかり把握し、入念に対策しておくことが必須といえるでしょう。

    では次項より、実技試験の内容と試験に向けての対策法を詳しく解説いたします。ぜひ、自分にはどの分野が合うのかを考えながら読み進めてみてください。

    保育士試験【音楽】の内容と対策

    まずは、「音楽」分野の試験内容と対策法をみていきましょう。

    試験内容

    音楽に関する技術の試験では、2曲の課題曲の弾き歌いが出題されます。幼児に歌って聴かせることを想定して、ピアノ・アコースティックギター・アコーディオンのいずれかの楽器を伴奏しながら歌います。

    この試験では、単に演奏のスキルや歌のうまさをみるのではなく、「保育士として必要な歌、伴奏の技術、リズムなど、総合的に豊かな表現ができているか」が評価の基準とされているようです。

    過去の課題曲

    令和1~令和4年までの課題曲は次の通りです。

    • 令和4年:小鳥のうた/びわ
    • 令和3年:あひるの行列/揺籃のうた
    • 令和2年:大きな栗の木の下で/ニャニュニョのてんきよほう
    • 令和1年:どんぐりころころ/バスごっこ

    2曲の課題曲は毎年変わりますが、いずれも保育園でよく歌われているなじみやすい童謡が選曲されています。

    試験の条件および注意事項

    試験の注意事項もしっかり押さえておきましょう。

    • ピアノ以外の楽器(ギター・アコーディオン)は持参する。
    • ピアノの伴奏には市販の楽譜、または、試験の手引きに添付された楽譜のコードネームを参照して編曲したものを用いる。
    • ギター、アコーディオンで伴奏する場合は、添付楽譜のコードネームを尊重して演奏する。
    • いずれの楽器とも、前奏・後奏を付けてもよい。
    • 歌詞は1番のみ。
    • 移調してもよい。

    対策のポイント

    前述の通り、音楽の試験では演奏のスキルのみをみているわけではなく、おもに子どもたちと一緒に楽しく歌えるかどうかが評価されます。そのため、子どもたちのことをみながら笑顔で弾き歌いできるかが重要なポイントといえそうです。

    また、試験当日に緊張で演奏に乱れが出てしまったりミスを連発したりすることのないよう、しっかり練習し、自信をもって弾けるようにしておくことも大切です。

    保育士試験【造形】の内容と対策

    つづいて、「造形」分野の試験内容と対策法について解説いたします。

    試験内容

    造形に関する技術の試験では、試験当日に問題文として提示される「保育の一場面」を、条件を満たしながら絵画で表現します。この試験では、絵がうまいかどうかではなく「情景や人物のイメージを豊かに描写し、さらに豊かな色使いで表現できるかどうか」が評価の基準となるようです。

    過去の出題例

    令和4年前期試験で出題された問題文は次の通りです。

    【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

    【事例】

    M保育所の3歳児クラスの子どもたちが、保育士と一緒に園庭でフィンガー・ペインティングをしています。机に広げられた紙の上で、絵の具の感触を確かめたり、大きく腕を動かしたりして、楽しく描いています。

    【条件】

    • フィンガー・ペインティングで楽しく遊んでいる様子を描く。
    • 園庭での準備の様子がわかるように表現する。
    • 子ども3名以上、保育士1名以上を描く。
    • 枠内全体を色鉛筆で着彩する。

    事例は試験のたびに変わりますが、子どもと保育士を描くこと・色鉛筆で表現することの2点は毎回条件に指定されているようです。

    【参考】

    四谷学院通信講座「令和4年【前期】保育士試験「実技試験・造形に関する技術」課題の分析 合格のポイントを解説します!フィンガー・ペインティング」

    試験の条件および注意事項

    造形試験での持ち物や注意事項は次の通りです。

    • 当日の持ち物:鉛筆またはシャープペンシル(HB~2B)・色鉛筆(12~24色程度)・消しゴム・腕時計

    ※持ち物はすべて人物の形をしたイラスト入りのものは使用不可。

    • 試験時間は45分
    • 解答用紙の大きさはA4判で、絵を描く枠の大きさは縦横19cm。

    対策のポイント

    他分野の試験と異なり、造形の試験では問題文が当日に発表されるため、課題に合わせた事前の対策がとれません。

    ただし、保育の一場面を表現すること、子どもと保育士を描くことが毎回条件に挙げられていることを踏まえると、男の子・女の子・保育士・保育室(椅子・机・ピアノなど)・園庭や公園の遊具などはスムーズに描けるよう練習しておいたほうがよいでしょう。

    また、豊かな表現と色使いが評価の対象とされるため、登場人物の生きいきとした表情や、明るい色使いも意識して描くとよいでしょう。

    保育士試験【言語】の内容と対策

    最後に、「言語」分野の試験内容と対策法を確認していきましょう。

    試験内容

    言語に関する技術の試験では、課題のお話を語り聞かせる素話が出題されます。課題のうち1つのお話を選択し、3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定して子どもが集中して聴けるようなお話をします。

    この試験では、保育士に必要な「声の出し方、表現上の技術、幼児に対する適切な話し方ができているか」が評価の基準となるようです。

    過去の課題

    令和4年の課題は次の通りです。(以下4つより1つを選択)

    • ももたろう(日本の昔話)
    • 3びきのこぶた(イギリスの昔話)
    • おおきなかぶ(ロシアの昔話)
    • 3びきのやぎのがらがらどん(ノルウェーの昔話)

    保育園でもよく読み聞かせが行われている昔話が選択肢に並びます。

    試験の条件および注意事項

    試験の注意事項もしっかり押さえておきましょう。

    • 3歳児クラスの子どもが目の前に15人程度いることを想定する(子どもに見立てた椅子などを前方に用意)。
    • 一般的なあらすじを通して、3歳の子どもがお話の世界を楽しめるように、3分にまとめる。
    • 子どもがお話の内容をイメージできるよう、適切な身ぶり・手ぶりを加える。
    • 絵本・道具(台本・人形)などの使用は一切禁止。
    • 時間はタイマーで計り、3分間は退出不可。
    • お話をする際には、立って行っても座って行っても可。

    対策のポイント

    試験本番には絵本や台本の持ち込みができないため、お話の内容を自分でまとめてオリジナルのシナリオを作成し、すらすら話せるよう丸暗記することが最低限必要です。

    また、3歳くらいの子どもは興味を持てないと途中で飽きてしまう場合が多いため、最後まで集中して聴けるようなアレンジ力と、目線・抑揚・テンポなどといった話し方の工夫が問われます。

    シナリオ作成から丸暗記まで進んだら、タイマーで時間を計り、子どもたちに話しかけるようなイメージで練習を繰り返しましょう。

    機会があれば、家族や友人の前で披露し、客観的な意見・感想を聞いておくのもおすすめです。

    保育士試験の分野はどう選ぶ?

    保育士試験における実技試験は、音楽・造形・言語のうち2分野を自分で選択するため、どれを選ぶべきか悩んでしまう方も少なくないようです。

    前述の通り、分野は保育士試験の願書を提出する際に決めておかなければならず、さらにあとから変更もできないため慎重に選んでおかなければなりません。

    そこで最後に、音楽・造形・言語から2分野を選ぶ際のポイントをご紹介いたします。自分にぴったりの分野で合格を目指すために、ぜひ参考にしてみてください。

    得意・不得意で選ぶ

    実技試験の分野のなかに自分のスキルが生かせる得意分野(または好きな分野)があれば優先的に選びましょう。

    ピアノやギターなどの楽器演奏が得意なら「音楽」、絵が得意なら「造形」、語り聞かせや読み聞かせが得意なら「言語」と、自分の得意分野を選べば試験当日も堂々と自信をもって挑めるはずです。

    なお、試験のためとはえ、苦手を短期間で克服するのは容易なことではありません。「これだけはムリ」という苦手分野があれば消去法で選ぶのも有効策のひとつです。

    楽しんで練習できそうな科目を選ぶ

    実技試験は、本番までに繰り返し練習する必要があるため、自分自身が楽しみながら取り組んでいける分野を選んでおくことも大切です。

    実技試験は、単に上手・下手や、高度な技術が評価されるわけではありません。子どもたちと正しく触れ合い楽しさを共有できる豊かな表現力が重視されるといえます。

    楽しく練習を重ねていければ、試験本番でも生きいきと表現でき、楽しい雰囲気を伝えられることでしょう。

    まとめ

    音楽・造形・言語の3分野から2分野を選択して受験する保育士実技試験。それぞれ試験内容は異なりますが、豊かな表現力が評価される点は共通しているといえます。

    受験分野に悩んだ際には、試験内容を踏まえたうえで、自分の得意なものや楽しんで練習していけそうなものを基準にして選ぶのがおすすめです。

    試験に向けての対策を押さえ、練習を重ねて、ぜひ自信をもって試験本番に臨んでください。

    【参考】一般社団法人 全国保育士養成協議会「令和4年実技試験概要」

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