「子どもが好き!」という理由で保育士の仕事を選ぶ方はとても多いものです。
しかし、実際に保育士となって毎日長い時間子どもたちと触れ合うと、言うことを聞かない子どもにイライラしたり、子どものさまざまな行動に苦痛を感じたり…、かわいい子どもに囲まれて毎日楽しく過ごす理想とは異なり、徐々に子ども嫌いになってしまう方も少なくないようです。
「保育士なのに子どもが嫌いなんて、保育士失格なのでは」と悩みを抱えている方もいることでしょう。
そこで本記事では、保育士が子どもを嫌いになってしまう原因と、嫌いになってしまった場合の対処法を徹底解説いたします。
ぜひ参考に、子どもに対する自分の気持ちと客観的に向き合ってみてください。
「子どもが好き」「子どもの成長に関わりたい」など、子どもに対して好意や関心があって保育士になる方が多いなか、子どもが嫌いになってしまうのは何らかの原因やきっかけがあるはずです。
まずは、自分がどうして子どもに嫌悪感を抱くようになったのか、その原因をじっくりと探っていきましょう。
下記に、保育士が子どもを嫌いになる主な原因を挙げました。
自分に当てはまる項目がないか、気持ちと向き合いながらチェックしてみてください。
子どもはさまざまことに興味があり、話を聞いてほしくてもなかなか集中してくれないことがしばしばあります。
好き勝手に遊んでいたり、泣いたりふざけたり甘えたり、多少のことであれば「子どもだから仕方がない」と目をつぶれますが、危険なことを何度注意しても繰り返す、うるさすぎて保育活動が全く進まないといったことが続くとがまんできなくなりイライラしてしまうこともあるでしょう。
このように、自分の言うことを聞いてくれない、思った通りに動いてくれない子どもたちの奔放さに嫌気がさしてしまう保育士もいます。
小さな子どもは、自分の気持ちをうまく言葉で表現ができないため、大声で叫んだり泣いたり、癇癪を起したりして意思表示することがあります。
これらの行動は、子どもの成長に大切な過程のひとつではありますが、次第にうるさく感じてしまうこともあるでしょう。
毎日のように耳にする泣き声や叫び声にうんざりして子どもが苦手になってしまう保育士もいます。
保育士の仕事は、子どもの保育に加えて、お便り帳や保育日誌の記入といった事務作業、壁紙作成に職員会議、イベントの企画・準備・運営などと多岐に渡ります。
膨大な業務をこなすため、一日中休む暇なく対応に追われている方も少なくありません。
そんななか、複数人の子どもをまとめるのは、保育のプロである保育士とはいえ簡単なことではないでしょう。
とくに、仕事に不慣れな新人保育士などは、自分に余裕がもてず、子どもの振る舞いにイライラしてしまう場合もあります。
トイレの時間に行かずに外でのお散歩中に「トイレに行きたい」といいはじめた子どもにイライラ、言うことを聞かずにふざけている子どもにイライラ…など。
余裕があるときなら冷静かつ笑顔で対処できる子どもたちの行動も、余裕がないとすべてにイライラしてしまい、結果的に子どもと触れ合うのが嫌になってしまう保育士もいます。
子どもと密に関わる保育士は、日々汚れることが避けられません。
赤ちゃんクラスを担当している保育士であれば、抱っこしている間に鼻水やよだれが自分の洋服について汚れてしまうことが日常茶飯事でしょう。
幼児の場合でも、さまざまなものを触って汚れた手、泥遊びをして汚れた体のまま保育士に抱きついてくるような子どももいます。
また、排出物や嘔吐物の処理をしている最中に手や服に汚れがついてしまうこともあるでしょう。
とくに潔癖症の方やきれい好きの方などは、子どもと関わることで汚れてしまうのが嫌で子どもに苦手意識を感じてしまうようです。
大人同士の人間関係のなかで「この人苦手」「あの人私のこと嫌いかも」と相性の合わない人がいるように、大人と子ども、保育士と子どもの間にも当然ながら相性の良し悪しがあります。
いつも言うことを聞いてくれない子どもや、「先生、嫌い」などと言ってくるような子どもに苦手意識を感じてしまうこともあるでしょう。
クラス全員の子どもが嫌なのではなく、特定の子どもに嫌気がさしている、という保育士も少なくありません。
子どもの保護者とのコミュニケーションも保育士の大切な仕事のひとつです。
しかしなかには、何かとクレームをつけてくる方や、自分の子どもを特別扱いするよう難題を押しつけてくる方、子どもが保育園でトラブルを起こしても何もしない方など、いわゆる「モンスターペアレント」といわれる保護者と接しなければならないこともあるでしょう。
親を苦手になったことがきっかけでその子どもに苦手意識を感じてしまう保育士もいます。
子どもと関わるのが嫌になってしまうと、保育士の仕事がつらくなってしまいます。「保育士失格なのでは…」と自己嫌悪に陥っている方もいることでしょう。
そこでつづいては、子どもが嫌いになってしまったときに試してほしい対処法をご紹介いたします。
子ども嫌いになったことになんらかのきっかけや原因があるのと同様に、何かをきっかけにして、また子どもとの触れ合いが楽しくなり子ども嫌いを克服できる場合もあります。
ぜひ、上記に挙げた対処法を参考に、自分にできるものがあれば実践してみてください。
まじめな保育士ほど、「子どもが嫌いなんて保育士失格」と自分を責めてしまいがちです。
しかし、「子ども好き=よい保育士」というわけでは決してありません。毎日笑顔で楽しそうに子どもたちと接している先輩や同僚保育士も、ときにはイライラしたり、「○○ちゃんは苦手」「服が汚れて最悪…」などと思ったりすることがあるはずです。
まずは、「子どもが嫌い」なことに自己嫌悪を抱くのではなく、「誰でも抱く感情」だと自分の気持ちを認めてあげましょう。
子どもが好きなときもあれば、嫌いに感じてしまうときもある。また、かわいいと思える子どもがいれば、苦手に感じる子どももいる。そういった気持ちは自分だけではないと認め、すべて含めて保育の仕事だと割り切れば、今よりラクに子どもたちと接することができるでしょう。
子どもが泣いたり怒ったり、言うことを聞いてくれなかったりすることが続くとついイライラしてしまいがちですが、子どもの大切な成長過程なのだと理解することも必要です。
泣くのも話を聞かないのも「子どもはこういうもの」だと気持ちを切り替え、気楽に子どもたちと関わってみてはいかがでしょうか。
また、どうして泣いているのか、どうして言うことを聞かないのか、子どもの気持ちを子どもの目線に立って考えみるのもよいでしょう。子どもの理解が深まると、子どもに対する嫌いな気持ちが軽減していくかもしれません。
職場の同僚や先輩保育士、上司などに相談してみるのも有効策のひとつです。
「保育士なのに子どもが嫌いなんて軽蔑されるのでは…」と相談することに躊躇してしまう方もいるでしょう。
しかし、一見楽しそうに子どもと接している保育士であっても心のなかでは同じような思いを抱えていたり、同様の悩みを過去に乗り越えていたりすることも多く、意外と共感してもらえるものです。
悩んでいるのは自分だけでないと思えると、心に余裕を持つことができるでしょう。また、的確にアドバイスしてくれたり、業務量を減らしてくれたりなど、子どもたちとしっかり向き合えるようにフォローしてもらえる可能性もあります。
就職や転職、復職したばかりの保育士のなかには、仕事に慣れず、心身ともにストレスを抱えながら毎日慌ただしく過ごしている方もいることでしょう。
前述の通り、自分に余裕がない状態だと、普段では冷静に対処できる子どもの些細な言動にもイライラしてしまいがちです。
そんなときには、「イライラする=子どもが嫌い」と判断する前に、仕事に慣れるまでもう少し待ってみてはいかがでしょうか。
仕事に慣れてくると、少しずつ心に余裕を持てるようになります。また、経験を積んでいくと、自分なりの保育観が確立し、子どもと今よりうまく関わっていけるようにもなるでしょう。
現在はイライラしている子どもの言動にも、うまく対処できるようになれば、自然と子どもへの苦手意識がなくなり、かわいいと思えるようになるかもしれません。
子どもにイライラしたり嫌悪感を抱いてしまうのは、子どもが本当に嫌いなのではなく、仕事が忙しすぎたり人間関係で悩んでいたりと自分を取り巻く環境が大きな要因となっている場合もあります。
ただでさえ余裕がないところへ、子どもたちの奔放ぶりが重なり、結果的に子どもが嫌になっているのかもしれません。
そのような場合には、ほかの保育園へ転職し環境を変えるのもよい方法です。
たとえば、
など、今よりも自分に合った保育園に巡り合えれば、子どもとの関わり方が変わり、子どもが嫌いな気持ちも自然と変わっていくかもしれません。
子どもと長い時間を触れ合うなかで、ときには子どもに嫌気がさしてしまうこともあるでしょう。
そんなときは、嫌いになった原因やきっかけを探りつつ、ぜひ、肩の力を抜いて対処法を実践してみてはいかがでしょうか。
子どもへの苦手意識が続く場合には、転職し、環境や働き方を変えてみるのも解決策のひとつです。
自分の気持ちとじっくり向き合いながら、決して自分を責めず、ゆっくりと解決の道を見出してみてください。
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