保育士のみなさんは「紹介予定派遣」という働き方を知っていますか。
今回は「紹介予定派遣」について解説します。
また「紹介予定派遣」のメリット、働き方の注意も詳しくみていきます。
今、保育園の仕事を考えている方や働き方について知りたい方にとって「紹介予定派遣」の情報はとても役に立つはずです。
「登録型派遣」とは違う「紹介予定派遣」を知って、自分らしい働き方の参考にしてください。
では実際に「紹介予定派遣」とはどういう働き方なのでしょうか。
ここではまず「派遣」の働き方や、「紹介予定派遣」の仕組みなどを詳しく解説いたします。
同じ保育園で働いている保育士でも雇用形態はさまざまです。
具体的には保育施設が雇用している正規職員とパート職員(非正規職員)、そして派遣会社が雇用し、保育園に派遣している派遣保育士などです。
厚生労働省の資料によると、「派遣」を含む非正規職員の割合は保育施設で働く保育士全体の30%以上とのことです。
では実際に「派遣」で働くとはどういうことのでしょうか。
「派遣」保育士の種類には以下のものがあります。
これらは全て人材紹介の会社から派遣されるため、給与は派遣会社から支払われます。
期間を定めない「無期雇用」の派遣という形もありますが、派遣保育士は働く期間が定められている「有期雇用」であることが特徴で、ほとんどの保育士は有期雇用の派遣保育士として働いています。
「登録型」の有期雇用の期間は原則3年とされています。
それでは次に、「派遣」の種類の中でも大きな特徴を持つ「紹介予定派遣」とはどんな働き方かみていきましょう。
【参考】
派遣の種類のひとつ「紹介予定派遣」とは、派遣された保育園で派遣期間を終えると、そのまま園で正規雇用されることを前提とした雇用形態のことをいいます。
派遣期間の終了後に「派遣先の保育施設」と「派遣保育士」の両者が合意した場合のみ保育施設の直接雇用へと切り替わります。
そのことで雇用主が派遣会社から保育施設へ変わり、それによって給与や待遇についても雇用先である保育施設の規定に変わります。
もちろんその保育施設で正規職員になりたくない場合は断ることも可能です。
その場合、派遣会社との雇用関係は続き、新たに別の園を紹介してもらうことができます。
では「紹介予定派遣」から正規雇用まではどのような流れになっているのでしょうか。
「紹介予定派遣」の期間は最長で6カ月とされていますが、実際では2~3カ月程度に設定されていることがほとんどです。
その間に保育士は派遣終了後にこの施設で働くことを希望するか考えます。
派遣期間中の仕事内容は正規雇用の保育士と変わりません。
また、派遣終了後を見据えて責任ある業務も任せてもらえる場合があります。
そして、保育園の園長はこの期間内に「紹介予定派遣」で派遣された保育士の働きぶりを評価します。
派遣終了後に派遣保育士と保育施設が合意すると、正規雇用へという流れになります。
「派遣」や「紹介予定派遣」について解説してきましたが、ここからは「紹介予定派遣」からの正規雇用になるメリットをお伝えいたします。
「紹介予定派遣」からスタートして正規雇用になるとどのようなメリットがあるか知ることで、働き方の選択肢が広がるはずです。
人によって希望する職場の条件は違います。紹介予定派遣で働くことにより、職場の雰囲気や働きやすさなどをあらかじめ体験できます。
これは長く働ける職場か判断するのにとても大切なことでしょう。
保育士という仕事はすぐに辞められない職種であるからこそ、「紹介予定派遣」の期間はそれらを見極めるとてもよい準備期間になるのではないでしょうか。
情報だけではなく実際に感じることができる派遣の方法が「紹介予定派遣」なのです。
保育の方法は園によってさまざまです。遊びの環境を通して主体性を大切にする保育園や、体操教室や英会話の時間などのたくさんの活動を取り入れている保育園もあります。
また、保育研修が充実していて保育の質の向上に力を入れている保育園など、これらが保育園自体の魅力にもなっています。
自分はどのような保育を行いたいのか、派遣期間に自分で確かめられるのは「紹介予定派遣」の大きなメリットのひとつではないでしょうか。
自分の目指している保育の方法に出会って、自分らしく働くことができれば、より充実した保育士生活になるはずです。
仕事をする上でどれくらいの給与をもらえるかは大きな関心事ではないでしょうか。
そして、自分のスキルに合った給与であることは働くうえでとても大切です。
その点「紹介予定派遣」は派遣期間中に、自分の働きを評価してもらえるので、正規雇用になったときスキルと給与にギャップが少ないと言えるでしょう。
保育士としてのスキルがある人にとって、働きぶりを給与に反映してもらえることは大きなモチベーションになるはずです。
また、過大評価によって保育に不安がでてしまうということも防げます。
その保育士の普段の様子を評価してもらえることは「紹介予定派遣」の良いところと言えるでしょう。
保育の仕事から一度離れてから再就職する場合、さまざまな不安がある方も多いでしょう。
また、子育て中の保育士にとって仕事との両立はとても大きな問題です。
そのようなときに「紹介予定派遣」で働くことは、正規雇用の保育士になるための準備期間となるはずです。
この期間を利用する事で、正規雇用後の生活をイメージできるでしょう。
いきなり正規雇用で保育士の仕事を再開するより、「紹介予定派遣」から自分のペースで仕事を再開する方がストレスも少ないのでおすすめの方法ですよ。
【参考】「短時間正社員制度」を活用した保育士の再就職促進について
メリットの多い「紹介予定派遣」ですが、注意しなければならないこともあります。
ここでは「紹介予定派遣」を考えている人に注意事項をいくつかお伝えします。成功する「紹介予定派遣」のためにもぜひ知っておいてください。
自分にこの保育施設で働きたいという強い意思があっても、保育施設が合意しないと正規雇用につながらないことに注意しましょう。
保育士が園を選んでいるのと同時に保育施設側もどのような人材かを見極めています。
正規雇用につなげるためには、その保育施設の理念や方針の中で保育をすることが必要であり、職場、保護者との関係性も大切です。
それらのことをふまえて派遣期間を過ごすことが大切です。
「登録型派遣」で保育士の仕事をする場合、時給が高く設定されていることが多いです。
これは優秀な人材を素早く派遣する必要があるためです。
それに比べて「紹介予定派遣」は人材の紹介が目的であるため時給の設定が低めになっている場合があります。
時給のことだけを考えると「登録型派遣」の方が良いかもしれませんが、ひとつの園で長く保育士として働きたいと考えている人にとっては「紹介予定派遣」の方がメリットは大きいでしょう。
人材紹介が一番の目的である「紹介予定派遣」は最長6カ月が目安と言われています。
その間に保育施設で働くことが可能かを考えなくてはなりません。
「登録型派遣」は同じ保育施設で1〜2年働くことができるため、それに比べるととても短い期間で決断することが必要です。
あらかじめ、自分はどのような環境で働きたいのか、自分にとっての働きがいとは何なのかを考えておくことが大切です。
短い期間ですが有意義にその時間を使って、見極めていくことが大切です。
「紹介予定派遣」はメリットが多いと言われていますが、この派遣制度を利用する園が少ないという実態があります。
逆にこの派遣制度を利用したいと考えている保育施設は、良い人材の確保を考えています。
派遣会社によっては人材コーディネーターが手厚くフォローしてくれますので、自分の働きたい園について相談してみるといいでしょう。
今回は「派遣」で働きたいと考えている人に向けて、正規雇用を目標にした「紹介人材派遣」についてお伝えしてきました。
保育士の仕事は大変なことも多いですが、その分やりがいのある素晴らしい仕事です。
また、人との関わりが多い職場のため、たくさんの考え方や刺激に出会える場所です。
そのような環境の中で自分のキャリアプランをぜひ考えてみてください。
5年後や10年後の自分はどのような保育士になって、どんな働き方をしているのかイメージしてみましょう。
「紹介予定派遣」の多くのメリットやさまざまな情報を知って、「紹介予定派遣」をぜひ利用してみてください。
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