保育士のみなさんはどこで働くか、考えたことはありますか。
保育士の資格は全国どこでも通用する国家資格です。
そのため、自分の希望する場所で働くことが可能です。
今回は、上京して保育士の仕事に就くか考えている方に上京するメリットやデメリットをお伝えするのと同時に、上京までの流れについて詳しく解説いたします。
ぜひこの機会に、上京して保育士の仕事の就くことを考えてみませんか。
都心での就職はメリットがいっぱいなのでとてもおすすめです。
地元を離れることに不安がある方もいるでしょう。
ただ、上京することによって思っている以上に多くのメリットがあります。
ここではそのメリットについてお伝えいたします。ぜひ参考にしてください。
厚生労働省の資料によると保育士の平均年収は363万円(令和元年)となっています。
保育施設にもよりますが、都心での保育士給与は全国平均より50万円ほど高いと言われています。
高い給与は働きがいにもつながります。
年収が高いことは上京することを前向きに考える材料になり、都心で働くメリットのひとつです。
都心で働くときに一番の問題は住居でしょう。
園によっては社宅が用意されていたり、住宅手当があったりします。
また、地域によっては家賃の補助制度があります。
東京都の場合では「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」という社宅制度があり、家賃の全額、もしくは一部を負担する制度を利用できます。
現在、採用されてから9年以内に限り上限月額82,000円の補助を受けることができます。
この制度を活用すれば、自己負担がほとんどなく都心で生活することが可能です。
ただし、東京以外の場所では金額や制度の違いがありますので、よく確認しましょう。
家賃の補助制度は自治体による制度ですが、園がサポート体制を整備している場合もあります。
就職時のサポートとしては以下のようなものがあります。
これらを利用することによって、上京するための自己負担を抑えることができます。
このなかでも新生活支度金は5万円から10万円ほどの自由に使えるお金が支給されるようです。
以前、杉並区では区での取り組みとして、杉並区内で利用できる商品券5万円のプレゼントが用意されていたときもありました。
就職先の自治体によって、さまざまな保育士のためのサポートがあります。ぜひ確認してみてください。
【参考】杉並区内の私立保育園で働きませんか 区の就職支援のご案内
地方の場合、保育所の数が少ないことや、欠員も少ないため、求人も限られてしまいます。
そのため希望する保育所に就職するのは難しい場合があります。
その点、東京都での保育士の有効求人倍率は令和3年の7月で3.09倍で、全国平均の2.29倍より高い数値になっています。
求人が多くあるので、自分の条件に合った保育所を探しやすいのがメリットです。
また、新規開園の園も多いため、新しい職場でスタートすることも可能です。
このように、都心ならではの職場の選び方ができます。
多くの保育所がある都心では、自分に合った保育の方法で保育所を選ぶことができます。
子どもたちの主体性を重視した園や、課外活動やカリキュラムが充実している園など、自分のやりたい保育のスタイルで園を選ぶことが可能です。
園内研修や海外研修など、保育に関しての情報も多いため、スキルアップにはぴったりです。
保育の仕事が好きで、将来は主任や園長になりたいと考えている人にとって、ポストが固定されていてほぼ動きのない地方の園では働きがいをみつけることが難しい場合があります。
その点都心では、毎年新しい保育所が開所しているため、キャリアアップを目指しやすい環境と言えるでしょう。
また、経験と実力を積んでいけば、園長として他の園に招かれるケースもあります。
都心にはたくさんのチャンスがあります。
保育士のキャリアを極めたい人にとってはメリットがたくさんあるでしょう。
上京したい理由のひとつにプライベートの充実を挙げる人もいるのではないでしょうか。
都心には商業施設がたくさんあり、休日は多くの楽しみがあります。
また、美術館や博物館などもそろっていることで多くの芸術、文化に触れることもできます。
保育所によってはテーマパークのチケットが割引になるなどの福利厚生があります。
プライベートの充実は上京する大きなメリットになるはずです。
【参考】
厚生労働省 保育士の現状と主な取組
厚生労働省 保育士の有効求人倍率の推移(令和3年7月)
上京して保育士になることを考えるなら、デメリットについても知っておく必要があります。
ここでは上京して保育士になるデメリットについてお伝えいたします。
あらかじめデメリットも知って心構えを十分にしておくことは大切ですが、これらのデメリットはいつの間にか慣れたり、解消されてしまうことが多いようです。
都心での生活の一番のデメリットは物価の高さでしょう。
ただし、お買い得のスーパーをみつけたり、自炊に挑戦したり、楽しみながら節約することはできるでしょう。
時にはレストランで外食をしたり、メリハリのある生活ができるのも都会ならではの楽しみです。
地方では車通勤が当たり前でも、都心では電車やバスを使って通勤する人がほとんどです。
そして、通勤時間の混雑は思っている以上に大変です。この混雑を避けるために、職場に近いところに住まいを求めてもよいでしょう。
また、そのような住まいを園が用意してくれる場合も多いです。
住まいの場所によって通勤の方法が変わりますので、あらかじめどのような通勤形態になるか考えておくとよいでしょう。
就職してすぐに職場の悩みを相談できる友達がいないことはデメリットのひとつでしょう。
ただし、最近ではリモートで友達や家族とつながれば、相談したいときに顔を見て話すこともできます。
時間が経つと職場や自分の周りに信頼できる友人もできてくるので、時間をかけてじっくりとそのときを待つことも大切です。
ここでは上京して就職までの流れについてお伝えいたします。
スムーズに上京するためにもぜひ参考にしてください。
自分の条件に合った保育園を探すところから始めます。
給与や待遇、住まいなどの条件を基準に、希望する園を絞り込んでいきます。
新規開園の保育所を希望するときは夏から秋にかけて探してみるとよいでしょう。
その際、保育士求人サイトなどを積極的に利用することをおすすめします。
就職したい園が決まったら面接の申し込みをします。
園によっては応募の際に書類選考があり、合格後に面接という場合もあります。面接と見学で約2時間はかかります。
複数の園と面接をする場合、移動時間や慣れない道で迷うことなども考えてスケジュールには余裕を持って望むようにしましょう。
また、園によっては面接のための交通費を負担してくれる場合もあります。
内定を頂いたら、働く際の条件や福利厚生などを再確認して受理、もしくは辞退を決めなくてはなりません。
複数の園の内定をもらった場合、条件や働きがいを比較して就職する園を決めます。
社会人のルールとして、返事はできるだけ早くするようにしましょう。
特に辞退の場合はすぐに返事をすることが大切です。
就職する保育所が決まったら就業のための手続きと住まいを探さなくてはなりません。
就業の手続きは郵送で済む場合がほとんどです。
住まいについては、園が住居について多くの情報を持っていますのでよく相談することが大切です。
どのような物件がよいか、希望を聞いて用意をしてくれる場合や、あらかじめ住まいを用意してくれている場合もあります。
また、自分で物件を探さなくてはならない場合もあります。
その場合、就業開始日までの日程を確認しながら、余裕を持ったスケジュールになるようにします。
住まいが決まったらすぐに引っ越し業者を選びましょう。
引っ越しシーズンは希望の日程で引っ越せない場合もありますので、早めの手続きが大切です。
保育所によっては引っ越し補助がでる場合もあります。
その場合、領収書が必要になりますので、忘れずにもらうようにしましょう。
引っ越し業者も決まったらいよいよ上京です。就業前に事前研修を行う場合もあるので、スケジュールを確認して上京するようにしましょう。
園によっては就職お祝い金などのサポートをもらえる場合もありますよ。
今回は上京して保育士になることを考えている方に向けて、メリット、デメリット、また上京までの流れについてお伝えしてきました。
働く場所を選ぶことができるのは国家資格である保育士の魅力のひとつです。
都心の就職は、手厚いサポートもあり、多くの保育士にとって働きやすい環境であることに間違いありません。
この機会に上京して保育士の仕事に就くことを考えてみてはいかがでしょうか。上京することで、職場はもちろん、今まで以上に多くの人と出会えることも素晴らしい経験になるはずです。
【参考】
(c) 2025 LIKE Staffing, Inc.