保育園は開所時間が長く、土曜日も開園しているため、休日数が少ないというイメージがある方も多いかもしれません。
保育士の仕事は開所時間内のシフト制で組まれており、土曜日出勤の分代休を取得できる保育園もあれば、1日の勤務時間数を短くし、土曜日の出勤を義務づけられている保育園もあります。
今回は保育士がどの程度の年間休日をもらえているのか、また年間休日日数が多い保育園の特徴について紹介します。
独立行政法人福祉医療機構が実施した「保育人材に関するアンケート調査結果」の資料によると、年間休日数に関する質問では、101日以上106日未満という回答が全体の20.9%と最も多くなっています。
次いで106日以上111日未満で18.5%、96 日以上 101 日未満が15.4%となっており、111日未満が半数近くになります。
年間休日日数が96日以下の保育園も14.3%となっており、全体的に休日日数は少ない傾向にあります。年間休日数の平均は105日程度ではないかと考えていいでしょう。
【参考】令和2年就労条件総合調査の概況
保育園の求人に多い年間休日の日数ごとに、どの程度の休みがもらえるのか、想定される勤務パターンをまとめてみました。
年間休日の日数によってどのような勤務になるのか、目安としてとらえてみて下さいね。
年間休日105日が、労働基準法によって定められている年間休日数の最低ラインと言われています。
労働基準法が定めている1日8時間労働、週40時間勤務で働く場合、最大労働日数は260日です。
365日から260日を引いた日数が105日ですので、年間休日が105日以下はかなり少ない日数と考えてよいでしょう。
労働基準法にもかかわってくるため、年間休日が105日以下の保育園は1日の労働時間が短い場合があります。
週40時間であれば、1日7時間45分労働の場合269日(最低年間休日数96日)、1日7時間30分労働の場合278日(最低年間休日数87日)です。
求人を見る場合は、1日の勤務時間も確認してみて下さいね。
年間休日105日は、労働基準法で定められている年間休日日数の最低ラインです。
1年はおよそ52週のため、毎週必ず2日休むとすると1年間の休日は104日。週休2日制を取り入れている園であれば、この日数は珍しくないでしょう。
祝日が休みになっておらず、夏季休暇や年末年始休暇も含んでいないため、一般的にみると少ないと感じるかと思います。
年間休日108日は、日曜日と祝日、月に1度土曜出勤をするイメージで考えるとわかりやすいかと思います。
また、年間休日108日の保育園の多くは月9日休み(2月のみ付き8日)という休暇体制をとっています。
この休暇体制は日曜・祝日保育を行っている保育園に多く、日曜・祝日に保育園が開所しているため、休日は曜日が固定されていないという場合も多いです。
年間休日が118日は一見多い印象を受けますが、週2日休み104日+祝日数16日を足すと120日です。
年間休日118日の場合、月1回土曜日の出勤が義務付けられていたり、運動会や発表会といった土曜日に行う行事の代休が取得できなかったりする可能性があります。
年間休日120日は、土日祝をすべて休んだ場合にもらえる休日数とほぼ等しくなります。
土曜日に開所している保育園は出勤することもありますし、行事が土曜日に入っていることもあるかと思います。
年間休日120日の保育園では、土曜日に出勤した分を代休として平日に取得できるようにしている園がほとんどでしょう。
土曜日の出勤分しっかり平日に休めるのはありがたいですよね。
年間休日121日以上の保育園はカレンダー通り(土曜日出勤の場合は代休)に休める上、夏休みや年末年始といった長期休暇をとることができる園といえます。夏休みが3~5日程度有給休暇とは別にあり、お盆時期に交代で休むことができるでしょう。
また、最近は週休3日制を導入している保育園もあります。
週休3日制を導入している場合、給料が週休2日の保育士よりも低かったり、1日の労働時間が9時間になるといった対応をとっていることもあります。
年間休日数だけではなく、固定残業があるのか、1日の勤務時間なども確認しておくといいでしょう。
年間休日が求人によって差があるのは、どのような理由があるのでしょうか。
年間休日数でも説明しましたが、保育園によってどのような違いがあるのかまとめてみました。
土曜保育に出勤した場合、平日に代休があるかないかで年間休日数は大きく変わってきます。
土曜保育の代休がある場合は年間休日数は120日以上あり、ほぼカレンダー通りに休むことができるでしょう。
逆に土曜保育に代休が無い場合は、月に何回土曜保育で出勤する必要があるのか確認しておきましょう。
中には隔週土曜日出勤を義務付けられている園もあります。
日曜・祝日保育や24時間保育を行っている園の場合、保育園が休みになる日がないため、保育士の年間休日数も少なくなることが多いでしょう。
24時間保育の場合は夜勤もあるので、夜勤明けが休みになる場合もあります。
園によっては日曜・祝日保育を行っていても週休2日や祝日分の休暇を取得できるように努力している所もあります。
求人で確認してみましょう。
系列の保育園がある場合、長期休暇や休職する保育士の代わりとして、保育園の間で保育士を派遣することがあります。
なかには土曜日は近隣の保育園の園児を1ヵ所にまとめて保育を行い、保育士が休みやすい環境や、1週間の長期休暇を取得するため、本部から保育士を派遣するといった対応をとっている保育園もあります。
系列の保育園が近くにある場合は、保育園間での連携を密に行っているのかも確認してみてはいかがでしょうか。
年間休日日数が多い保育園には、どのような特徴があるのでしょうか。
保育士の人数が多いと土曜日の代休も取得しやすく、有給休暇も使用しやすいでしょう。
朝晩などに専従パートの方がいる場合は、早番や遅番の回数も少なく、更に働きやすい環境であるといえます。
産休や育休、介護休暇などの取得実績が高い園ほど、年間休日数は多い傾向にあります。
子どもが産まれてからも働きやすい環境が整っていれば復帰しやすくなります。
産休や育休の取得実績だけではなく、復帰した職員がどのくらいいるかも確認しておくと安心です。
年間休日日数に含まれる休暇だけではなく、保育園によっては独自の休暇を設定している所もあります。
どのような休暇があるのか、チェックしてみましょう。
有給休暇は、労働基準法によって年次有給休暇として付与されることが定められています。
有給休暇は公休日ではなく勤続年数や保育園によっても付与される時期が異なるため年間休日には含まれません。
保育園によってはお盆期間に有給休暇の取得を推奨したり、公休日とあわせて連休を取得できる場合もあります。
園によって公休日扱いとなるか、有給休暇扱いとなるかは変わってきます。
誕生日月の任意の1日を休みにできたり、誕生日月に優先して有給が取れるなど、園によっても対応は異なります。
勤続年数によってリフレッシュ休暇として有給休日とは別に1週間程度の休みが取得できるものです。
園の公休日とは別になるため、年間休日数には含まれません。
小学生以下の子どもがいる場合、熱などで休んだときに使用することができる休暇です。
有給か無給かは保育園によっても異なります。
子の看護休暇も取得できる保育士が限られているため、年間休日数には含まれません。
夏休みを取得できるかは保育園によっても異なります。
有給休暇を優先して取得する夏休みの場合は年間休日数に含まれませんが、園の公休日として定めている場合は年間休日に含まれています。
保育園はお盆期間も休園になることはほとんどないため、指定された月の希望する日に取得するという方法をとっている園が多いでしょう。
日数も1日~10日前後と、園によって大きく異なります。
冠婚葬祭で利用できる慶弔休暇は園によっても日数や取得要件が異なります。
こちらは年間休日数には含まれず、園によっては無給になる場合もあります。
保育士の平均年間休日数や、休日が多い園の特徴などをご紹介しました。
保育士の年間休日は園によっても大きく差があり、同じ業務を行っていても、120日以上休めるところもあれば100日程度しか休日が無い園もあります。
また、古い体制の園では週休2日制になる前の勤務形態から変わっていなかったり、保育士不足により休みづらい環境であったりと、求人情報だけでは気づかないこともあります。
年間休日が多い保育園は、有給消化率が高かったり、残業削減や業務の軽減など保育士の働き方を改善する努力をしています。
求人を見る際は年間休日数の実績だけでなく、働きやすい環境であるかにも注目してみましょう。
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