保育士不足が問題になる中、保育士は本当に働きやすい職業なのか、不安に思う部分もありますよね。
保育士は行事で休日の出勤があったり、土曜日も開所していたり、早番、遅番といったシフト制を導入している保育園が多く、一見すると出勤日が多いように感じます。
この記事では、保育士は本当に休日日数が少ないのか、有給休暇の取得率や産休育休の制度についてもあわせてご紹介します。
保育園は基本的に日曜祝日以外開所しているため、「お盆休み」や「創立記念日」、自治体独自の休日である「県民の日」などはお休みにはなりません。
そのため、他の企業と比べると保育士の休日は少ない傾向にありましたが、最近は指定の期間で取得できる夏休みを設ける保育園なども増えてきています。
独立行政法人福祉医療機構が行った「保育人材」に関するアンケート調査結果の資料によると、年間休日日数(有給休暇を除く)は、101日以上106日未満の保育所が全体の20.9%と、最も多いです。
年間の土日の日数がおよそ104日のため、祝日が出勤と考えるとわかりやすいかと思います。
次に多い回答が106日以上111日未満で18.5%。土日と祝日をあわせた日数が120日と言われており、土曜出勤をして代休を取得することができる年間休日120日以上の保育施設は12.0%でした。
【参考】「保育人材」に関するアンケート
認可保育園のほとんどが、土曜日は開所、日曜祝日、年末年始はお休みです。
ですが、一部の認可保育園、無認可保育園の中には日曜祝日にも開所しています。
保育園が開いている日が多い分、休日日数も少なくなる傾向があり、4週6休の勤務を行っている園も少なくありません。
また、土曜保育の出勤に対しての考え方も園によって異なり、出勤したら代休を取得するという園、1ヶ月に1回出勤が義務付けられている園、半日ずつの出勤を行う園とさまざま。
休日日数の違いは、この土曜保育に対する園の運営によって大きく左右されるかと思います。
保育士の勤務パターンにはシフト勤務、パート勤務、固定時間勤務があります。中には派遣社員として、派遣会社に登録して働く方法もあります。
それぞれの勤務形態によっても、休日の取りやすさは変化しますし、園が休日保育や24時間保育を導入している場合、年間休日日数も通常の保育施設とは異なってきます。
保育士の勤務は開所から閉所まで交代制の勤務を取り入れている園が多いです。早番、中番、遅番の3交代の園もあれば、開所から30分刻みで7種くらいのシフトを導入している園もあります。
たとえば早番は開所から延長保育まで、遅番は夕方の延長保育から閉所までのようにシフトで勤務が組まれます。
土曜保育の代休分として早番で7:00に出社し、11:00に半休を取得して帰宅する。
遅番で午前中に半休を取得し、16:00ごろ出社するというシフトをとる園も存在します。
パート勤務は出勤する曜日や時間帯をある程度自分の好きなように決めることができるため、扶養内で働きたい方や、子育て中で時間の制約がある方が中心です。
パート勤務はほとんどが時給制なので、休んだ分のお給料をもらうことはできません。
その代わりに自分が好きな時に休めるという利点もあるので、パート勤務を希望する人もいます。
固定時間勤務は、保育園が開所している時間帯の中で「8:00~17:00」「9:00~18:00」と時間を決めて働く勤務です。育児中や介護などで時間の制約がある保育士が働きやすいように導入している園が増えてきました。
固定時間勤務は「子どもが〇歳まで」「要介護認定が〇以上」など条件がある場合が多いので、園に確認しましょう。
一部の認可保育園、無認可保育園では24時間保育や休日保育を実施している園があります。
24時間保育を行っている園の中には、全職員がシフト制で「夜勤」「日勤」を行う勤務体形、20時から翌朝7時までは夜勤専門の職員が行う勤務体系を導入というように、園によっても異なります。
休日保育を行っている園の多くは4週6休、4週8休、月9日休みといった休暇制度を取り入れていることが多く、日曜祝日の休日は少ない傾向にあります。
全国保育協議会会員の実態調査報告書によると、保育士の有給休暇取得日数は以下の通りです。
2日以内 |
2.6% |
3~6日 |
23.9% |
7~9日 |
27.2% |
10~15日 |
30.7% |
16~20日 |
9.6% |
21日以上 |
1.9% |
一番多いのが10~15日でした。
ただ、注意したい点は有給休暇の取得率が高くても希望する日に取得できるとは限らないということです。
保育園によっては園行事の代休を有給休暇で一斉に取得する場合もあります。
2019年に労働基準法が改正され、有給付与日数が10日以上の全ての労働者に対し毎年5日、有給を確実に取得させる必要があると定められました。
そのため、以前に比べると有給休暇は取得しやすくなっています。
有給休暇の日数はパート、正社員など勤務形態に関わらず付与されることが法律で定められています。
有給休暇が付与されるのは基本的に入社後半年を経過してからですが、園によっては入社日から付与されていたり、有給休暇が付与される前に使える休暇制度を取り入れている保育園もあります。
【参考】有給休暇について|厚生労働省
有給休暇の取得を申請した場合、経営者は労働者に有給休暇を与える義務があります。
しかし、保育園では行事のある日に休暇を取るのが厳しかったり、他の保育士との兼ね合いで希望通りに取得できないということは多々あります。
有給休暇を取りやすくするためには、1か月以上前、シフトを作る段階で申請しておくと他の職員の配置を組みやすくなるので、早めに上司に相談しましょう。
園の運営によって休日日数は違うため、求人情報で確認しましょう。
4週8休と記載されている場合は特に注意が必要で、祝日が4週8休の要件に含まれるのかをしっかりと確認しましょう。
2000年の規制緩和により、企業が運営する保育園の数は首都圏を中心に増加しています。
企業が運営する保育園では、処遇改善の取り組みを積極的に行っています。
一例ですが休暇制度も通常の休日以外に、「夏休み」「バースデー休暇」「勤続〇年休暇」などを取り入れている保育園があり、これらを含めると年間休日は110日以上になります。
ただし、夏休みやバースデー休暇が有給休暇の利用になる場合もあるので、詳しいことは確認しておくことが無難です。
また在籍している保育士の人数が多い園ほど、休みがとりやすいという傾向があります。これは1人休んだとしても、代わりに入れる保育士を確保しているためです。
保育士の人数が多いと、一人当たりの作業の負担も少なく、残業も少ない傾向にあります。
休日保育や24時間保育を行っている園の多くは、他の保育園に比べて休日日数は少ない傾向にあります。
しかし24時間保育や休日保育は、夜勤手当が上乗せされるため、休日日数は少なくても給与は高いというメリットがあります。
また古くからある保育園の場合、創立当初から休日日数や休暇制度が変更されていない場合もあります。
有給休暇が取得できなかったり、園側の都合で休暇を消化されてしまう場合もあるので、休暇制度を確認しておきましょう。
保育士が不足している園の場合、自分が休んでしまうと代わりに子どもを見る保育士がいないというプレッシャーから、有給休暇を取りづらくなってしまうというのがよくあるパターンです。
自分が休んだら他の人に迷惑がかかるため、体調不良でも出勤する人が少なくありません。
そのような労働環境では長続きせず、結果として常に保育士不足という悪循環に陥ってしまいまうのです。
法律上「産前休暇」とは出産予定日の6週間前(双子等多胎児妊娠の場合は14週間前)から、「産後休暇」とは出産から産後8週間まで取得できます。
産休はすべての労働者が取得できる権利なので、正社員だけではなく、パート勤務の保育士も取得できます。
ただし、育休は勤続1年以上や所定労働日数などの条件があるため、全員が必ず取得できるとは限りませんが、よほどのことが無い限り取得することは可能です。
しかし中には産休育休の取得に渋い顔をされる現場もあるのが現実です。
女性の多い職場だからこそ、自分につわりはなかったので妊娠中の体調不良を理解されなかったり、先輩保育士が産後3ヶ月で復帰したから、復帰を強要されたといったケースもあるようです。
前項であげた有給休暇を取得しやすい保育園は、産休育休も取得しやすい雰囲気があります。
【参考】「妊娠順番制」を破った30代女性保育士が受けた仕打ち
保育士は休みを取りにくい、休日日数が少ないと言われがちですが、園によって大きく異なり、休みやすい園や休日日数が多い園は存在します。
保育士確保のため労働環境を改善している保育園は増加傾向にあり、夏休みや独自の休暇制度を設けている保育園もあります。
また女性は結婚や妊娠出産とライフステージの変化が多いので、出産・育児に理解がある職場を選べば、長く働き続けステップアップすることが可能です。
年間休日日数は求人情報に記載されているものだけを見るのではなく、面接の際に行事の代休の有無なども確認しておくと良いですね。
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