保育園では食育のために年間を通じて「クッキング」を行います。
そこで、この記事では保育園のクッキング計画の立て方やねらいについて解説します。
さらに、クッキングに役立つおやつのおすすめレシピをご紹介します。
また、アレルギーの確認や衛生管理などクッキングの注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
多くの保育園では「クッキング」を定期的に取り入れています。
クッキングには以下のねらいがあります。
それではクッキングが子どもへもたらすよい影響をチェックしていきましょう。
クッキングには「料理の素材について理解を深める」というねらいがあります。普段から料理の手伝いをしている子どもなら話は別ですが、子どもは野菜や果物などの素材と触れ合う機会があまりありません。
クッキングでは野菜や果物の皮をむいたり、切る作業を経て、素材の形や手触り、断面の様子などが分かります。
料理をする過程で、素材への理解を深めることが目的の一つです。
「これまでは嫌いだった食べ物も、保育園でのクッキングをきっかけに好きになった」という子どもも少なくありません。
さらに、野菜の栽培を活動に取り入れて、野菜の育ち方を教えたり、収穫の楽しさを共有することで、食べ物を大切にする気持ちを育むことができるでしょう。クッキングの前に、食育をテーマにした絵本や紙芝居を読むのもおすすめです。
季節ごとの食事を味わうのも、クッキングのねらいの1つです。
食べ物には「旬」があります。
「どの季節にどんな野菜や果物が収穫できるのか」を子どもに伝えるためにも、クッキングは最適です。
実際に保育園で栽培したり、絵本を読んだりして、食べ頃や収穫の方法などを伝えると、さらに子どもたちの興味を引き出せるでしょう。
野菜や果物に関する図鑑を活用してもよいでしょう。
旬の野菜を当てるクイズゲームや、季節の野菜にちなんだ手遊びを取り入れるのもおすすめです。
上記のような、旬の野菜を取り入れたメニューをクッキングに取り入れて、季節に親しむことも大切です。
「食育だより」や「クラスだより」に、季節の食べ物や人気のメニューを掲載すれば、子どもや保護者の方の目にも触れます。
さまざまな取り組みを通じて、季節の食べ物への興味・関心を引き出していきましょう。
食事の楽しさを伝えることも、クッキングのねらいです。
「食事に集中できない」「食べ物の好き嫌いが激しい」という子どももいます。給食や家庭での食事の時間に、どうしても食事が進まず、食事の時間を苦手に感じてしまうケースも少なくありません。
クッキングでは素材の味わいや料理の楽しさ、みんなで一緒に食卓を囲む心地よさを体感できます。
食事や新しい食材に対しての苦手意識を取り除くためには、最適の方法です。
保育園でクッキングを行う場合は、事前に計画を立てることが大切です。
計画を立てることで、ほかの保育士にも共有できますし、当日の流れを前もって把握できるので、スムーズにクッキングを進行できます。
ここでは、年間計画・当日の計画の立て方や、当日の流れをチェックしていきましょう。
まず最初は年間計画から考えましょう。
年間計画を立てれば、「どの季節にどんなメニューを取り入れるか」という計画が立てやすくなります。
誤ってメニューが被ることもありません。
保育園で栽培した野菜をクッキングに使う場合は、種をまく時期や収穫の時期を踏まえて、メニューを考えましょう。
月ごと、もしくは季節ごとに、クッキングを担当する保育士を割り振っておくと、そのほかの計画もスムーズに進められるでしょう。
年間計画で大まかなメニューや分担が決まったら、次は当日の計画を立てましょう。
当日の計画を立てるときは、基本的に指導案や企画書に必要事項を記入します。
指導案や企画書にまとめることにより、当日の流れやつかみやすくなります。
ほかの保育士と当日の打ち合わせをするときにも役立つので、できるだけ詳細に書きましょう。
クッキングの基本的な流れは、次の通りです。
子どもの動き |
保育士の動き |
|
食材や調理用具や食器を用意する |
手洗い |
子どもに手洗いを促す |
エプロン・三角巾・マスクをつける |
エプロン・三角巾・マスクの着用を促す |
グループに分かれて調理開始 |
調理方法を解説 |
調理~完成 |
子どもの調理を援助 |
料理が完成したらみんなで食べる |
「いただきます」を促す |
片付け |
片付けを促す |
グループによって調理のスピードが異なるので、全体の動きを把握しつつ、遅れているグループには適切な援助をしましょう。
保育園のクッキングにおすすめのメニューをご紹介します。
それぞれの作り方やコツをチェックしていきましょう。
「春の桜もち」は桜の葉でもちを包んだ和菓子です。
簡単に作れるので、年長以下の子どものクッキングメニューにもおすすめです。
春らしいメニューです。
桜の木の下で食べたりして、さらに季節感を演出してもよいでしょう。
ゼリーは季節問わず作れる定番の手作りおやつです。包丁やまな板を使わないので、2~3歳児でも安心してクッキングに参加できます。
夏場はゼリーを冷凍してアイスにしてもよいでしょう。
みかんの缶詰ではなく、桃の缶詰やフルーツミックスの缶詰を使うのもおすすめです。
秋にぴったりのスイーツ「サツマイモのスイートポテト」。
素材をしっかりと味わえるので、クッキングには最適です。
細かくつぶすのではなく、サツマイモの形を多少残すと、素材本来の食感や味をより楽しむことができます。
ドーナツは子どもに大人気のおやつです。
ホットケーキのもとを使えば、子どもでも簡単に作れます。
小麦粉やバター、牛乳などのアレルギーの確認の上、必要であれば代用品を使って作りましょう。
ミキサーで細かくしたニンジンを入れたり、黒砂糖を混ぜてサーターアンダギー風に仕上げるなど、アレンジが豊富なので準備できる食材と合わせて楽しんでください。
保育園でクッキングを行う場合は、アレルギーや衛生管理、安全管理に気を付けなければなりません。
それぞれの注意点や配慮する方法をチェックしていきましょう。
クッキングを計画する前に、子どものアレルギーはきちんと把握しておきましょう。
入園当初に保護者の方から提出してもらった食物アレルギーに関する調査票をチェックしてから、メニューを考えます。
また、アレルゲンとなりうる食材を含まないメニューを選ぶのも大切です。
食中毒やそのほか感染症を防ぐために、衛生管理を徹底しましょう。
調理前の手洗いはもちろん、調理器具などのアルコール消毒をしっかりと呼びかけましょう。
テーブルやキッチンに余計なものをおかないことも大切です。
食器も長い間利用されていないものは避け、最近洗ったものや使い捨ての食器を使うのがおすすめです。
クッキング中は、さまざまな危険が予測されます。
子どもが安全に楽しくクッキングに取り組めるように、次のようなポイントに注意していきましょう。
火や油を使う場合は、火傷しないように保育士が側について見守りましょう。
保育園で行うクッキングには、「素材の食べ物について理解を深める」「季節ごとの食事を味わう」などのねらいがあります。
年間計画や指導案で、事前にメニューや当日の流れを決めてから企画を進めると、スムーズに進行できます。
クッキングの際は、子どもが安全に楽しめるようアレルギーの確認や衛生管理、安全管理に気を付けましょう。
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