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    保育士の残業が多くなる理由。残業代の支給や残業を減らす方法を考えよう

    #保育士の働き方 #保育ノウハウ 2020/11/20

    保育士が「辞めたい」と悩む理由の1つに残業の問題があります。そこで、この記事では保育士の残業が多くなる理由や実情、保育士の残業代についてご紹介いたします。どうしたら保育士の残業がなくなるのか、解決方法や残業を少しでも減らす方法を考えていきましょう。

    保育士の残業が多くなる理由5選

    厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均残業時間は一日4時間程度です。定時が17時だと考えると、そこからさらに4時間プラスされるので、最終的な退勤時間は21時です。もちろん、この数字はあくまでも平均なので残業が少ない保育園もあります。

    ただ、いわゆる「ブラック保育園」と呼ばれる施設では、残業時間が4時間を上回るばかりか、その後に仕事を家に持ち帰って作業することも少なくありません。なぜ、保育士の残業はここまで多いのでしょうか?保育士の残業が多くなってしまう5つの理由をチェックしていきましょう。

    【参考】厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」

    保育士の人員が足りない

    保育業界は深刻な人手不足問題を抱えています。平成26年度の厚生労働省の発表によると、平成29年度末に必要とされる保育士の数(需要)はおよそ46.0万人で、同年の保育士数の推定(供給)はおよそ38.6万人でした。需要と供給を照らし合わせると、平成29年度末における保育士の数はおよそ7.4万人不足しているという結果です。

    厚生労働省は待機児童の解消のために「子育て安心プラン」を立ち上げ、2020年度末までにおよそ32万人分の保育の受け皿を確保すると同時に、保育士の確保を目指しています。しかし、平成30年11月の有効求人倍率は3.20倍(東京都の場合6.44倍)でした。つまり、それだけ多くの保育園が人員不足を抱えているというわけです。

    【参考】厚生労働省「保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて」

    そもそも仕事量が多い

    保育士の仕事量の多さは、保育士の離職率と密接に関係しています。保育士の仕事内容は、次の通りです。

    • 室内遊び
    • 会議・記録・報告
    • 表現活動への支援
    • 子どもへのスキンシップ
    • 午睡の援助
    • 着替え・オムツの援助
    • おやつや給食の援助
    • 散歩や外遊び
    • 掃除・洗濯などの雑務
    • 保育の計画・準備
    • ミルク・離乳食の援助
    • 送迎の際の保護者対応
    • 保育の記録

    ほかにも、社内のセミナーや講義への参加や、イベントの企画・運営・準備なども業務に含まれています。このように、保育士の一日の仕事量は多く、肉体的・精神的な負担も大きいのが現状です。

    実際、厚生労働省が発表したデータによると、現役保育士からの職場への不満に「事務・雑務の軽減」と回答した数が全体の34.9%を占めていました。さらに「職員の増員」と回答した数は40.4%だったことから、保育士不足によって保育士1人当たりの仕事量が多くなっていることがうかがえます。

    【参考】厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

    イベントや行事の準備に追われる

    イベントや行事の準備も、保育士の仕事内容に含まれています。夏祭りや運動会、クリスマス会やお遊戯会などの行事は、大掛かりな準備が必要です。企画書の作成から職員との打ち合わせ、イベントに必要な用具や材料の収集、装飾や子どもへのプレゼントの製作など、すべきことはたくさんあります。

    ダンスや歌などの出し物がある場合は、子どもたちに指導したり、保育士自身が練習するケースもあります。もちろん、イベントや行事の準備は通常業務と並行して進めなければなりません。その結果、休憩時間を削って準備に取りかかったり、残業して作業することになるのです。特に、イベント多い保育園や、イベントのクオリティにこだわっている保育園の場合は、準備にかなりの時間を費やさなければなりません。

    持ち帰りの仕事も多い

    残念ながら、仕事を自宅に持ち帰って作業する保育士も少なくありません。主に、自分が担当するクラスの保育の準備や、自分が担当するイベントや行事の準備、また業務中に終わらなかった書類などが持ち帰りの仕事に含まれています。

    本来は、就業中に終わらせなくてはならない作業ですが、就業中は子どものお世話や、保護者対応などで作業する時間がほとんどありません。また、保育園自体が「あまり残業をしないように」と呼びかけているため、やむなく仕事を持ち帰るケースもあります。

    確かに、自宅なら自分のペースで進められますし、周りの目もないので作業しやすいでしょう。ただ、自宅で働いた分は給与には含まれません。こういったことが慢性化すると仕事量と賃金が見合わずに葛藤し、離職してしまう保育士もいます。

    サービス残業で帰れないことも

    職場によってはサービス残業を強いられる場合もあります。「周りの保育士が残業申請をしてないから、自分もサービス残業している」といった場合です。保育士の一日の平均残業時間はおよそ4時間程度ですが、この分の残業代を毎日申請すると、保育園側は膨大な残業代を支払わなければなりません。

    保育園は保育料や補助金で運営しているので、保育士に支払える残業代も限りがあります。さらに、残業が多い保育園は本社からの評価も下がってしまいます。その結果、保育園全体で「残業申請を控えなければならない」という空気が生まれてしまうのです。

    また、「周りの保育士が残っているから、何となく帰りづらくてサービス残業している」という保育士が多いのも事実です。本来は残業する必要がなくても、帰りづらい雰囲気でやむなく残業しているのは、保育士だけでなくほかの業種にも通じる問題点と言えるでしょう。

    保育士の残業を減らす方法5選

    保育士の残業を減らすには、どうすればよいのでしょうか?ここでは残業を減らすためにできることを5つ提案します。

    時間内に仕事をおわらせるようにスケジューリングする

    残業を減らすには、まずしっかりとスケジュールを立てましょう。スケジュール帳に納期やイベント日を記入して、その日に間に合うよう「やることリスト」を作成します。加えて、一日の作業の目安を記入することで、無駄な残業を防ぐことができます。優先順位を決めて、重要度の高いものから作業を進めていきましょう。

    残業時間を決めてメリハリを持って取り組む

    どうしても残業しなければならないときは、ダラダラと作業するのではなく、時間を決めて取り組みましょう。就業時間外はどうしても気が緩みがちです。周りの保育士とおしゃべりをしながらダラダラ作業を進めていると、なかなか帰れません。もちろん職場のコミュニケーションは大切です。しかし少しでも残業時間を減らしたいなら、「今日は1時間だけ残業しよう」と決めて、メリハリを持って作業しましょう。

    周りの目を気にしない

    「何となく帰りづらい雰囲気だから、ついつい残ってしまう」という場合は、思い切って帰ってしまうのも一つの方法です。周りの目を気にしていつも残業していると、「この人は残業するタイプの人だ」と周りから認知され、後々困ることになってしまうかもしれません。

    初めから「自分は残業しない」というスタンスでいれば、周りも察してくれるでしょう。残業が慢性化すると、体調を崩してしまいます。結果的に周りへ迷惑をかけてしまうことになるでしょう。

    1人で抱え込まず同僚と分担する

    どうしても作業量が多い場合は、1人で抱え込まず周りの保育士に助けを求めましょう。1人で抱え込んで納期に間に合わなければ、他の保育士に迷惑をかけてしまいます。簡単な製作なら、アルバイトやパート、派遣の保育士でもできるので、複数の保育士と仕事を分担して進めてみましょう。遠慮せず周りに協力を頼むことも計画通りに仕事を進めるコツです。

    残業代の未払いは行政に相談してみる

    「保育園が残業代の申請を許してくれない」「残業代が支払われない」という場合は、行政に相談してみましょう。以下、残業代の未払いに関する相談ができる機関をまとめてみました。

    • 全労連労働問題ホットライン
    • 労働基準監督署
    • 労働局雇用均等室
    • 総合労働相談コーナー
    • 社会保険労務士

    電話やメールで相談できるので、残業関係で悩みがある場合は、問い合わせてみましょう。

    どうしても残業が減らない場合の対策方法

    どんなに工夫しても残業が減らない場合は、「就業形態を変える」「残業の少ない保育園に転職する」という選択を考えてもいいでしょう。それぞれのポイントを解説します。

    派遣やパートなどの就業形態も検討する

    正社員はどうしても作業量が多いので、残業時間も多くなってしまいます。派遣やパート、アルバイトなら作業量が軽減されますし、自分のペースで働けます。家庭との両立や、体力面で不安がある場合は検討してみてはいかがでしょうか?

    残業の少ない保育園に転職する

    どうしても残業が減らない場合、残業の少ない保育園に転職するのも選択肢に入れておきましょう。残業の少ない保育園の特徴は、次の通りです。

    • 行事が少ない保育園
    • 保育士の人数が多い保育園
    • 事務作業の電子化が進んでいる園

    行事が少ない、なおかつ保育士の数が多い保育園は保育士1人当たりの負担が少ないので、残業も少ない傾向があります。事務作業の電子化が進んでいる場合は、手書きよりも事務作業が簡略化されているので、作業時間もぐんと減ります。

    まとめ

    現在も保育業界は、保育士不足による残業問題を抱えています。しかし、スケジューリングを徹底したり、メリハリを持って作業に取り組んだりすることで、残業を最小限にとどめることはできます。残業が慢性化すると疲労がたまり、いつか体調を崩してしまうかもしれません。

    周りに合わせてむだに居残りしているなら、自分の仕事が終わったと判断したら先に帰ってしまう勇気も必要です。どうしても残業が減らない場合は、労働環境のよい保育園に転職することも考えてみましょう。

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