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    放課後児童支援員とは?学童保育(放課後児童クラブ)で必要とされる役割について解説

    #お仕事図鑑 2020/09/27

    2015年4月にスタートした「子ども・子育て新制度」により、新たに創設された「放課後児童支援員」。学童保育施設での遊びと生活を支援し、健全育成を行うための専門資格のことで、現在、学童保育施設には1名以上の「放課後児童支援員」を配置することが義務付けられています。

    そこで今回は、「放課後児童支援員」をまるごと徹底解説。放課後児童支援員になるには?仕事内容は?など、放課後児童支援員について詳しくご紹介いたします。

    放課後児童支援員とは?

    まずは、「放課後児童支援員」の基礎知識を深めていきましょう。

    2015年創設の学童保育施設で働く専門資格

    冒頭でもお伝えした通り、「放課後児童支援員」とは、学童保育施設で働く際の専門資格です。2015年4月、「子ども・子育て新制度」のスタートに伴い、新たに創設されました。これまで、学童保育施設への有資格者の配置についてとくに規定はありませんでしたが、現在では、『放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準』に基づき、各施設に1名以上の放課後指導支援員の配置が義務付けられています

    学童保育施設の施設数・登録児童数が、ともに増加の一途をたどっている今日、放課後児童支援員は注目度の高い資格のひとつと言えます。

    学童指導員と放課後児童支援員の違い

    学童指導員とは、学童保育施設で働く職員のことです。以前は、とくに必要とされる資格がなかったため、学童保育施設に携わるすべての方が「学童指導員」と呼ばれていました

    しかし、2015年4月に放課後児童支援員の資格が創設されるとともに、学童保育施設への一定数以上の放課後指導支援員の配置が義務付けられたため、有資格者を「放課後児童支援員」、無資格者を「学童指導員」と呼び分けるようになっています。

    • 学童指導員:資格が不要
    • 放課後児童支援員:資格が必要

    なお、学童指導員と放課後指導支援員の大きな違いは資格の有無で、仕事内容にあまり差はありません

    放課後児童支援員の資格取得方法

    放課後指導支援員の基本を押えたところで、ここからは早速、資格の取得方法を確認していきましょう。なお、放課後児童支援員になるには、『放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準』で定められている条件を満たし、かつ各自治体が行う研修を修了することが求められます。

    資格取得条件

    まずは、資格取得条件についてみていきましょう。放課後児童支援員になるには、下記いずれかの条件に該当している必要があります。

    【資格の取得条件】

    • 保育士資格を有する方
    • 社会福祉士資格を有する方
    • 高卒以上で、かつ2年以上児童福祉事業に従事した方
    • 教育職員免許法第四条に規定する免許状(幼稚園・小学校・中学校・高等学校・中等教育学校)を有する方
    • 大学で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学を専修する学科、またはこれらに相当する課程を修めて卒業した方(※外国の大学も含む)
    • 大学で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学を専修する学科、またはこれらに相当する課程において優秀な成績で単位を修得したことにより、大学院への入学が認められた方
    • 大学院で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学を専攻する研究科、またはこれらに相当する課程を修めて卒業した方
    • 高卒以上で、かつ2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事し、市町村長が適当と認めた方(2,000 時間以上の勤務経験が目安)
    • 5年以上放課後児童健全育成事業に従事し、市町村長が適当と認めた方

    これらの資格条件を簡単にまとめると以下のようになります。

    実務経験を要しない方

    • 保育士・社会福祉士・幼稚園等の教諭の有資格者
    • 大学等での社会福祉学等の修了者

    実務経験を要する方

    • 高卒以上で2年以上児童福祉事業に従事した方
    • 高卒以上で、かつ2年以上児童福祉事業に類する事業に従事し、市町村長が適当と認めた方(※2,000 時間以上の勤務経験が目安)
    • 5年以上放課後児童健全育成事業に従事し、市町村長が適当と認めた方(中卒等の方も含む)

    【参考】

    厚生労働省「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」

    内閣府「放課後児童支援員研修の受講要件の緩和」

    内閣府「放課後児童支援員の基礎資格の拡大について」

    資格取得方法/研修の受講

    放課後児童支援員の資格取得条件を満たした方は、各自治体が実施する研修を受講する必要があります。なお、この研修の目的は、放課後児童支援員として業務を遂行するうえで、必要最低限の知識・技能を習得し、それらを実践する際の基本的な考え方や心得を認識すること

    では、日程やカリキュラム、科目など、研修の詳細を確認していきましょう。

    研修日程は自治体ごと

    研修の日程は、各自治体によって異なります。詳細は、お住いの自治体のホームページ等を参照してください。

    6分野16科目のカリキュラム

    カリキュラムは、下記の6分野・16科目・24時間(1科目90分)で構成されています。

    【研修の項目・科目】

    放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の理解

    • 放課後児童健全育成事業の目的および制度内容
    • 放課後児童健全育成事業の一般原則と権利擁護
    • 子ども家庭福祉施策と放課後児童クラブ

    子どもを理解するための基礎知識

    • 子どもの発達理解
    • 児童期(6歳~12歳)の生活と発達
    • 障害のある子どもの理解
    • 特に配慮を必要とする子どもの理解

    放課後児童クラブにおける子どもの育成支援

    • 放課後児童クラブに通う子どもの育成支援
    • 子どもの遊びの理解と支援
    • 障害のある子どもの育成支援

    放課後児童クラブにおける保護者・学校・地域との連携・協力

    • 保護者との連携・協力と相談支援
    • 学校・地域との連携

    放課後児童クラブにおける安全・安心への対応

    • 子どもの生活面における対応
    • 安全対策・緊急時対応

    放課後児童支援員として求められる役割・機能

    • 放課後児童支援員の仕事内容
    • 放課後児童クラブの運営管理と運営主体の法令の遵守

    各自治体で異なりますが、1回の研修日数は4~8日程度。原則として2~3ヵ月以内で実施されます。

    また、保育士・社会福祉士・教員免許などすでに取得している資格に応じて、研修科目の一部を免除することも可能です。

    【参考】厚生労働省「放課後児童支援員に係る都道府県認定資格研修ガイドラインの概要」

    受講料は無料

    研修受講料は原則無料です。ただし、テキストを購入する場合、また会場までの交通費、昼食費などは自己負担となりますので注意しましょう。

    【参考】

    東京都福祉保健局「令和2年度東京都放課後児童支援員認定資格研修について」

    LEC東京リーガルマインド「2020年度 神奈川県放課後児童支援員認定資格研修」

    放課後児童支援員の仕事内容とは

    最後に、放課後児童支援員の仕事内容や勤務時間、雇用形態などを詳しく確認しておきましょう。

    仕事内容

    放課後児童支援員の仕事は、就労等で保護者の方が家にいない子どもたちへ、下校後や長期休暇中に安心して過ごせる場所を提供することです。厚生労働省によると、放課後児童支援員に必要とされる役割は次の通り。

    • 子どもの健康管理、出席確認をはじめとした安全の確保、情緒の安定を図ること
    • 遊びを通しての自主性、社会性、創造性を培うこと
    • 子どもが宿題・自習等の学習活動を自主的に行える環境を整え、必要な援助を行うこと
    • 基本的生活習慣についての援助、自立に向けた手助けを行うとともに、その力を身につけさせること
    • 活動状況について家庭との日常的な連絡、情報交換を行うとともに、家庭や地域での遊びの環境づくりへの支援を行うこと
    • 児童虐待の早期発見に努め、児童虐待等により福祉的介入が必要とされるケースについては、市町村等が設置する要保護児童対 策地域協議会等を活用しながら、児童相談所や保健所等の関係機関と連携して対応を図ること
    • その他放課後における子どもの健全育成上必要な活動を行うこと

    これらをもとに、具体的な仕事内容を把握していきましょう。

    勉強や遊びのサポート

    宿題などの勉強や遊びを見守りつつ、基本的な生活習慣を身につけさせて健やかな心と体の成長をサポートします。

    保護者との連携

    また、家庭との連携を図ることも放課後児童支援員の重要な仕事のひとつです。仕事をしている保護者の方にとって、子どもの普段の様子を把握したり小さな変化を感じ取ったりするのはなかなか難しいもの。

    学童保育施設での様子を伝え情報交換することで、安心して預けられる環境を作り、保護者の方とともに子どもの成長をサポートします。

    1日の仕事例

    学童保育施設によって放課後児童支援の仕事内容に違いはありますが、一般的には次のような1日を過ごします。

    【1日のスケジュール例】

    14:00頃~

    小学生入室

    学校が終わった子どもを出迎え、宿題等にとりかからせます。

    15:30頃~

    おやつ

    宿題終了後におやつを提供します。

    16:00頃~

    自由時間/イベント等

    室内で工作したり、外でドッジボールなど、子どもそれぞれの自由時間をサポートします。

    17:00頃~

    帰りの会/帰宅開始

    帰りの会を行い、保護者が迎えに来た子どもを見送ります。

    学童保育の閉所時間は18~19時頃。保護者のお迎えが来た子どもから見送ります。

    勤務時間

    放課後児童支援員の勤務時間は、平日は小学校の授業が終わるお昼頃から学童保育施設の閉所時間(18~19時頃)まで。土曜日や夏休みなどの長期休暇は朝から閉所時間までが一般的です。

    雇用形態

    学童保育施設で働く職員は、非正規雇用の割合が高く、給与の低さや人材不足も問題視されています。内閣府が2016年に実施した調査によると、放課後児童支援員1人あたりの給与額(年額/手当・一時金込)は次の通りです。

    • 正規職員:7万円
    • 非正規職員:1万円

    ただし、2017年には「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」が創設され、経験年数や研修実績等に応じた段階的な賃金改善の仕組みも設けられており、今後の処遇改善も期待できます。

    【参考】

    厚生労働省「放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係」

    内閣府「平成28年度 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)に係る実態調査の集計結果概要について」

    厚生労働省「放課後児童クラブの施策と認定資格研修」

    厚生労働省「「放課後児童健全育成事業」の実施について/別紙9」

    まとめ

    子どもたちにとって学童保育施設は、学校が終わった後、家庭代わりに安心して帰れる場所です。そして、放課後児童支援員は、子どもたちの心と体の成長をサポートする、重要でやりがいのある仕事のひとつ。

    子どもたちの成長に携わりたい!と考えている方は、資格取得条件を確認のうえ、ぜひ研修を受講してみてはいかがでしょうか。

    なお、実施場所・実施時期・申し込み方法等は各自治体によって異なります。気になる方は、お住まいの自治体のホームページをチェックしてみてくださいね。

    【参考】

    厚生労働省「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」

    内閣府「すくすくジャパン!子ども・子育て支援新制度について」

    厚生労働省「放課後児童クラブの基準について」

    全国学童保育連絡協議会「学童保育(放課後児童クラブ)の実施状況調査結果について」

    厚生労働省「放課後児童支援員に係る都道府県認定資格研修ガイドラインの概要」

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