保育士の数は、さまざまな対策により以前よりは改善されていますが、まだまだ足りていないのが現状です。そのため、保育士の転職は簡単だと考えている人もいるのではないでしょうか。
実際に保育士の求人は常にたくさんみられます。そのためよりよい条件を求めて転職を繰り返す保育士の方も多いようです。しかし、転職活動で転職回数の多さを不利に感じることもあるのではないでしょうか。
今回は転職回数を気にされている方や、転職回数が不利になると思い込んでいる方に転職活動の対策をお伝えいたします。
資料によると保育士の有効求人倍率は令和3年の10月の時点で2.66倍となっています。これは1人に対して2件以上の求人があるということです。全業種の平均が1.16倍ですから保育士の求人が他業種に比べて倍以上多いことがわかります。つまり、保育士は資料の数字からみても転職をすることが難しくない業種であることが分かります。
保育士の転職回数の平均は2〜3回と言われています。ではこの数字が転職回数として多いと思われてしまうのでしょうか。転職にはさまざまな理由があるので、3回程度の転職はあまり気にしなくても良いといえます。ただし、短期間で何度も転職していたり、保育士として働いていた期間が短かったりすると採用につながならない場合もあります。
では、これらがどうして転職するのに難しい理由になるのでしょうか。また、転職回数が多いことによってどのようなデメリットがあるのか、それらを知ることは成功する転職活動のためにもとても大切です。
ここでは転職回数が多いとなぜデメリットになるかを説明いたします。デメリットを知り、転職に対する考えをもう一度整理することも必要でしょう。
ひとつの園で長く働くことで、その園の保育の理念にあった保育のスキルが習得でき、また、信頼を築くことができます。そのことで主任や副主任という役職を目指すことも可能になります。
しかし、転職を繰り返していると、ひとつの園での働く年数が少なくなり、キャリアアップしにくいということになります。新たな園に転職するたびにゼロから信頼関係を築いていくことになるので、キャリアアップして役職を目指したい方にとって、転職を繰り返すのはデメリットになってしまう可能性があります。
保育園によっては書類選考を行う場合があります。人気があり応募の人数が多い園では書類選考で人数を絞ってから面接を行います。書類選考では、転職回数が多いことが不利になってしまう場合もあります。
たとえば経験年数が同じような保育士がいた場合、長く働いてくれる人材がほしい保育園は、転職回数が少ない保育士を選ぶでしょう。書類選考で落とされないためには、自分の保育スキルや働きたい熱意を履歴書でアピールする必要があります。自分の強みとは何か、じっくり考えてみることが大切です。
転職回数が多いと同僚から不信感をもたれてしまうかもしれません。人間関係に問題があって辞めたのかなど、悪い印象を持たれてしまうこともあるかもしれません。それらのことを考えると転職の多い保育士の採用に慎重になってしまうのも仕方のないかもしれません。
面接では退職の理由を詳しく聞かれる場合が多いでしょう。保育園は長く働いてくれる人を採用したいと考えています。それらを考えると転職が多いことはデメリットになってしまうことを忘れないようにしましょう。
転職回数が多いと保育士として働くことになぜデメリットなのかをお伝えしてきましたが、ここでは園側からみた転職回数が多いことの不利な理由をお伝えいたします。自分自身に起こるデメリットと園側が考える理由を知って転職を考えることが大切です。
転職回数が多いと、その保育士に対して忍耐力不足と感じてしまうようです。さらに短期間で転職していると何かあるとすぐに辞めてしまうのではないかと思われてしまいます。保育園側にとっては年度の途中で辞められてしまうのは本当に迷惑なことです。それらを考えた時、少しでも長く働いてくれる保育士を求めるのは自然なことと言えます。
保育士として働く時、長期的な計画をもって仕事をしている人がほとんどです。自分自身のキャリアに関してはもちろん、受け持ちのクラスや園児をどのように成長させていきたいか、それらの見通しがある保育士は計画性があると言えるでしょう。
計画性がないと、ただその日をなんとなく過ごしてしまうことになるでしょう。園側はそのようなことも考え、転職回数の多い人は計画性がないのではないかと疑念を抱いてしまいます。計画性は保育者の資質にも関わってきますので、保育の計画性はとても重要であることを覚えておくといいでしょう。
保育士の仕事は、子ども、保護者の方、職場と多くの人間関係が築かれます。そのうえ体力も必要なので、肉体的にも精神的にもストレスを溜めやすい仕事であることは事実です。そのため、転職回数が多いとストレスに耐えられないのではと判断されやすく、採用に不利になってしまうことがあります。
もちろん、身体や心を壊すほどのストレスは問題ですが、普段の業務でストレスに耐えられないことで辞められてしまうと園側も困ってしまいます。
ここまで転職回数の多さが採用の不利になることについてお伝えしてきましたが、実際には転職回数の多い保育士も現場にたくさんいて、保育園側も転職経験について理解している場合がほとんどです。ここでは不利になりにくい転職のコツを紹介します。コツを知っていることで自分の望むような職場で働くことができるかもしれません。
園選びは自分の希望する保育ができるかどうか、望んだ働き方ができるかどうかで決めることが大切です。その中でも転職回数に左右されない、採用されやすい園があることも事実ですが、ここではまずどのような園を選ぶとよいか、そのコツをお伝えします。
これから開設される新しい保育園に応募することで採用される場合があります。また募集人数の多い保育園もよいでしょう。そのような保育園では、他の保育士と比較されることもあまりないため、転職回数が多いことが不利になることは少ないでしょう。
人間関係が原因で転職回数が多い方には、新しい園は働きやすさの面でもおすすめです。
園の雰囲気や働いているスタッフの様子を知ってから面接にのぞむこともポイントです。あらかじめ園についてしっかり調べておくと、自分の保育の理念とのすり合わせができるので、長く働ける職場探しには大切なことです。
また、園側でも事前に園内の見学をして園を知ってもらうことで、辞めていくことを防ぎたい思いもあります。
転職回数をはじめ、自分の経歴にあった求人を見つけてくれるのが転職サービスです。自分の力だけでは不安を感じたらぜひ転職サービスを利用するとよいでしょう。転職のための細やかな気配りが転職サービスの魅力です。転職回数のことも親身になって相談を聞いてくれるでしょう。
転職回数が多くても履歴書を書くコツを知っていると不利にならない場合があります。そのコツとは志望動機や自己PRを熱意を持って書くということです。このことで、園側も保育士の人柄や仕事への姿勢をイメージできます。履歴書を書くときにはぜひ志望動機や自己PRの作成に力を入れてみてください。
面接では必ずといっていいほど転職の回数やその理由ついての質問があります。このときどのような受け答えをするかがとても大切です。面接前に予想される受け答えをしっかりと練習しておきましょう。
離職理由には人間関係や働き方、給与待遇などがありますが、それらをいかに、前向きな理由として答えられるかが面接のコツです。誰もが納得できるような理由であれば、転職は計画性があるととらえてもらえることもあります。またこのとき、働いていた園を絶対に悪く言わないことも忘れてはいけません。
これらのコツを押さえて面接にのぞむようにしましょう。
即戦力をアピールすることも面接のコツです。ある程度の経験を積んだ保育士は今までのスキルを新しい場所で発揮できます。人手不足の保育園では即戦力の人材を求めています。そのことをアピールすると良いでしょう。もちろん、謙虚な姿勢を忘れてはいけません。
今回は転職回数が多いことによるデメリットと転職回数が多いと採用の際になぜ不利になるのか、またそれを跳ね返せるような採用のコツを解説してきました。保育士の場合3回程度の転職であればあまり多いとはみなされない傾向があります。転職活動では自分のキャリアやスキルが生かせる職場を見つけることが大切です。
次の職場こそ、長く勤められる職場であるためにも事前の準備をしっかりしておきましょう。前向きな姿勢こそ、保育園側に求められている人材です。
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